2030年引退の国際宇宙ステーション。その後の「処理」計画とは?

AI要約

国際宇宙ステーション(ISS)は2030年に運用終了予定で、NASAでは燃え残りを防ぐための解体計画を進めている。

中心的な宇宙企業であるSpaceXがISS解体のための宇宙船を開発するなど、様々な計画が進行中。

ISSの引退に伴い、民間宇宙企業に活用される新たなチャンスが訪れるが、NASAは最大のパートナーであるロシアの力を借りずにミッションを遂行しなければならない。

2030年引退の国際宇宙ステーション。その後の「処理」計画とは?

国際宇宙ステーション(ISS)の引退が近づいています。宇宙での建設が始まったのが1998年、完成は2011年。以来、人類の宇宙研究最前線の場所として親しまれています。が、何事にも終わりがあるように、ISSも2030年に運用終了が予定されています。

運用終了に伴い、たくさんの計画が進行中。NASAでは、ISSを地球低軌道上からどう解き放ち、地球の大気圏へと突入させるかを計画しています。大気圏に突入すれば、国際宇宙ステーションの大部分は燃えて消えてしまいます。NASAを中心に各国の宇宙機関が相談に相談を重ね、あらゆる策と可能性とコストを検討。その結果、アメリカの民間宇宙企業SpaceXが、ISSを地球軌道から放つための宇宙船を開発することになりました。

ISSのサイズは全長109m、サッカーのフィールドくらいあります。宇宙空間にある(現在では)最大の人工物です。となると、地球軌道上から放たれる最大の人工物ということになります。低軌道から解放するのも、大気圏に突入させるのも、そして燃えきらない残骸を安全な場所に落下させるのも容易ではありません。

単純に老朽化、です。

ISSは、NASAだけでなく多くの宇宙機関にとって、超微重力下での最新テクノロジーや科学的実験を行なう重要な場所として長年親しまれてきました。アメリカ、ロシア、ローヨッパ、日本、カナダなど18カ国もの宇宙飛行士が時に共に滞在し、協力してきた国際的で平和な場所。ISSの引退後、その場所は民間宇宙企業にとって大きなチャンスの場となります。

ロシアは自国の宇宙ステーションを建設しながら、2028年までISSに宇宙飛行士の派遣を継続します(国際宇宙ステーションには、常に最低でもNASAから1人、ロシアから1人の宇宙飛行士が派遣されている)。ロシアは、ソユーズとプログレス補給船で、今までも多くのクルーメンバーや物資をISSに送り届けてきました。が、ISS引退でそれらの船はロシアに戻ります。つまり、ISS引退ミッションにおいて、NASAは最大のパートナー(ロシア)の力を借りずに遂行しなければならないということ。