クルードラゴンとスターライナー ISSで撮影された2つの有人宇宙船

AI要約

2024年6月30日、ISSで撮影された画像にはSpaceXのCrew Dragonが美しい天の川の背景に映っている。

Crew DragonはNASAのCrew-8ミッションで使用され、Crew-9の打ち上げ後に地球へ帰還予定。

2024年7月3日に撮影された画像ではBoeingのStarlinerが光跡として写っており、CFTミッションにおいて問題が生じている。

クルードラゴンとスターライナー ISSで撮影された2つの有人宇宙船

こちらは2024年6月30日に国際宇宙ステーション(ISS)で撮影された画像。写っているのはISSに係留されているSpaceX(スペースX)の有人宇宙船「Crew Dragon(クルードラゴン)」です。美しい天の川を背景に地球の影で暗く写ったCrew Dragonの船体と、その窓から漏れた明るい光が印象的です。

このCrew Dragonはアメリカ航空宇宙局(NASA)の有人宇宙飛行ミッション「Crew-8(クルー8)」で使用されている「Endeavour(エンデバー)」で、日本時間2024年3月4日に打ち上げられ、翌3月5日にISSに到着しました。それ以来4名のクルーはISSに4か月以上滞在しており、2024年8月中旬以降に打ち上げが実施される次のミッション「Crew-9(クルー9)」のクルーが到着した後に地球へ帰還する予定です。

いっぽう、こちらは2024年7月3日にISSで撮影された画像。写っているのはBoeing(ボーイング)の新型宇宙船「Starliner(スターライナー)」です。長時間露光で撮影されたため、星や地上の明かりが流れるような光跡となって写っています。

StarlinerはNASAのCommercial Crew Program(コマーシャルクループログラム、商業乗員輸送計画)のもとでCrew Dragonとともに開発がスタートした宇宙船です。現在は開発の最終段階となる有人飛行試験にあたるミッション「Crew Flight Test(CFT)」が実施されており、クルーとして搭乗したNASAのBarry Wilmore(バリー・ウィルモア)宇宙飛行士とSunita Williams(スニータ・ウィリアムズ)宇宙飛行士の2名は日本時間2024年6月7日にISSへ到着。それ以来、第71次長期滞在クルーの7名とともにISSに滞在しています。

CFTミッションのStarlinerは、大気圏再突入の前に分離・投棄されるサービスモジュールに組み込まれている姿勢制御システム(RCS)で問題が生じています。RCSで使用されているヘリウムの漏洩や酸化剤遮断バルブの問題が確認されている他に、ISS到着時には合計28基搭載されているRCSスラスターのうち5基が故障しました(そのうち4基は復旧)。帰還時に失われてしまうサービスモジュールで発生した問題に関する知見を可能な限り得るために、NASAは当初ISSに8日間滞在する予定だったStarlinerの帰還予定日を延期しています。アメリカ・ニューメキシコ州にあるNASAのホワイトサンズ試験施設ではスラスターの地上テストも行われており、Starlinerの新たな帰還予定日は今後判断される予定です。

Source

NASA – Commercial Crew Program (NASA Blogs)