難しい知識は不要…小学生でも解けるこの図形問題、あなたは解くことができますか?

AI要約

大人たちが算数の基礎から学び直す必要性について述べられている。

円の面積を求める例題が紹介され、その仕組みが論理的に説明されている。

さらに、正方形や正三角形の面積を求める例題も提示され、解法が詳細に解説されている。

難しい知識は不要…小学生でも解けるこの図形問題、あなたは解くことができますか?

食塩水の濃度や往復の平均速度など、仕事などでちょっとした算数の知識が問われる場面に出くわして、ドキッとしたことはないだろうか。「昔は解けたのに……」、そう思うのに解けない。そんな大人たちは本連載で今一度、算数を基礎から学び直してみてはどうだろう。

長年、算数・数学教育に携わってきた桜美林大学名誉教授・芳沢光雄氏の新刊『大人のための算数力講義』(講談社+新書)より抜粋して、「算数の重要な考え方」をお届けする。

『大人のための算数力講義』連載第29回

『円の面積が「半径 × 半径 × 円周率」で求められる理由を論理的に説明できますか?』より続く

前回記事では円の面積が半径×半径×円周率の形で求められる仕組みを述べた。

以下、2つの例題を紹介する(2つ目は少し難しい)。

例題:図のように、一辺が8cmの正方形ABCDの中に4つの半円がある。それらの重なる部分の面積を求めよ。なお、円周率は近似値の3.14でなく、を用いるとする。

以下のようにして、求める面積が分かる。

1つの半円の面積=4×4×÷2=8×()

求める部分の面積=4つの半円の面積の合計

-正方形ABCDの面積

=4×8×-8×8

=32×-64()

を得る。

一辺が1の正方形において、各頂点を中心とする半径1の円を4つ描くと、正方形の内側には斜線で示した図形ができる。この図形の面積を求めよ。ただし、一辺が1の正三角形の高さをhとして、hとを使って答えを表すものとする(ちなみに中学数学では、h=(√3)÷2であることを学ぶ)。

問題の図を次のように描き直してみると、以下の式の成立が分かる。

求める斜線でできた部分の面積

=正方形の面積-4×(点々で示した部分の面積)

また、三角形ECDは一辺が1の正三角形なので、

角ECB=角BCD-角ECD=90°-60°=30°

となる。よって、

点Cを中心とする扇形EBCの面積

=1×1××30/360

=÷12=1/12×

が成り立つ。そこで、

点々で示した部分の面積

=点Cを中心とする扇形EBCの面積-弧ECと弦ECに挟まれた部分の面積

=点Cを中心とする扇形EBCの面積

-(点Dを中心とする扇形ECDの面積-正三角形ECDの面積)

=1/12×-(1×1××1/6-1×h×1/2)

=1/12×-1/6×+1/2×h

=1/2×h-1/12×

が導かれたことになる。

以上から、

求める面積

=1×1-4×(1/2×h-1/12×)

=1-2×h+1/3×

を得る。

『全国各地にある「富士見町」から、本当に富士山が見えるかを計算する方法』へ続く