わくわくの夏休み、新しい発見に笑顔 市内各地で子ども向けイベント【宇部】

AI要約

宇部市内で子ども向けのイベントが相次いで開催されており、参加者は新しい発見に目を輝かせている。

県内の小学5年生~中学2年生向けの夏休みジュニア科学教室が開催され、子どもたちは科学の楽しさに触れている。

さまざまなテーマで作品を楽しむ子どもたちが参加した夏の美術室のワークショップについても紹介されている。

わくわくの夏休み、新しい発見に笑顔 市内各地で子ども向けイベント【宇部】

 夏休みに入り、宇部市内で自由研究などに適した子ども向けのイベントが相次いで開催されている。参加した子どもたちは、講師の話に耳を傾け、新しい発見に目を輝かせている。

 県内の小学5年生~中学2年生を対象に、第36回夏休みジュニア科学教室が22日に始まった。初回はUBE宇部事業所であり、23人がポリエチレンフィルムを使ったカラフルな万華鏡作りに取り組み、科学の楽しさに触れた。同教室実行委員会(福田浩治委員長)主催。

 

 同教室は、子どもたちに科学の面白さを知ってもらおうと1989年から続く。今年は8月22日まで、セントラル硝子宇部工場、宇部フロンティア大、協和キリン宇部工場、山口東京理科大などで21講座が行われる。

 

 UBE宇部事業所では、同社製造技術開発部の田坂聡子さん(34)が講師となり、ポリエチレンの特徴と光の性質について、色を取り出す偏光板を使った実験を通じて説明。通常の状態と引っ張った状態で、光の色が変わる様子を見せると会場からは驚きの声が上がった。

 

 藤山小5年の有村友莉さんは「光の色の変わり方とか知らないことばかりで面白かった」、母親の美江さんは「子どもが万華鏡を見ることも作ることもないので参加してみた。自分も知らないことが多くて親子で楽しく学べた」と感想を述べた。

 

 田坂さんは「身近な素材のポリエチレンフィルムも伸ばすと性質が変わったりするように、見方を変えれば違ったものが見えてくることを知ることで、科学に興味を持ってもらえたら」と話した。

 ときわ湖水ホールで開かれている「夏の美術室」で21日、ワークショップ「スーパーで買える材料でテンペラ画を描こう」が行われた。宇部、山陽小野田、山口市から5歳~高校2年生の19人が参加。第28回UBEビエンナーレでのレジデンス作家、葛谷允宏さんの指導の下、テンペラ絵の具を自作して思い思いの絵を描いて楽しんだ。

 

 テンペラとは卵と顔料を混ぜて作る絵の具で、鮮やかな発色が特徴。ヨーロッパで14世紀ごろまで多く使われた。卵に酢と赤、黄、緑の3色の食用色素を混ぜて作った。女子美術大(東京都)の学生10人もアシスタントとして参加した。

 

 絵の具が出来上がると建築材料のケイカル板に絵を描いた。ケイカル板は四角形だけでなく三角形などにも切ってあり、参加者は好みの板を選んで、野菜や風景、デザイン画など自由なテーマで作品を仕上げた。

 

 浜中優希音さん(琴芝小3年)は弟の亮太朗ちゃん(5歳)と参加。「絵の具を作るところからすべて楽しかった。テンペラ絵の具は普通の絵の具より濃い気がした。思った通りに絵が描けてうれしい」と笑顔を見せた。

 

 葛谷さんは「普段、絵の具は買って使うものだが、あえて身近な材料で自作することで再発見や工夫につなげてもらいたいと思った。ランダムに切ったケイカル板を使ったのも固定観念にとらわれないための工夫。これらの経験を絵以外でも発想の広がりにつなげてほしい」と話した。