「ほとんど市場に流通しない」粘りは通常の約3倍 上天草市維和島の"白い"オクラ
上天草市で貴重な夏野菜、白オクラが栽培されています。その特徴や食べ方について取材を行いました。
白オクラは特徴的な白い皮とハート型の切れ目があり、夏野菜として7月から10月が旬です。
白オクラは粘りが強く、消化器の粘膜を保護し腸内作用を整える効果があり、夏バテ防止に適しています。
上天草市で、ちょっと珍しい夏野菜が栽培されています。それは、一部の地域でしか流通していない貴重な夏野菜、白オクラです。見た目の珍しさだけでなく、特徴からおいしい食べ方まで取材しました。
上天草市維和島で20年以上、白オクラ を栽培している山﨑宝さん(68)、むつみさん(68)夫妻です。
■永島由菜アナウンサー
「どんな感じなんですか?」
■山﨑むつみさん
「こんなオクラなんですけど、見たことありますか?白っぽいと思いません?」
■永島由菜アナウンサー
「全然違いますね!白っぽさがありますね」
その名の通り、白くてきれいな皮が特徴の白オクラ。一般的な緑のオクラと比べると違いは歴然です。
■山﨑むつみさん
「このオクラはね、中がとても可愛いのよ。なんだと思う?切れ目がね、ほらよく見て。ハート型に見えない?」
■永島由菜アナウンサー
「あ、ほんとだ!種が入っている袋みたいなところが」
■山﨑むつみさん
「可愛いでしょ?」
白オクラは7月から10月が旬の夏野菜で、山口県長門市の伝統野菜でもあります。上天草市によりますと、維和島には500世帯ほどが暮らしていますが、3分の1近くの家庭で白オクラを栽培しています。
なぜ維和島で育てる人が増えたのかはわかりませんが、むつみさんが結婚して維和島にやってきた46年前には、既に白オクラを栽培している人がいたということです。
■永島由菜アナウンサー
「とれました!」
■山﨑むつみさん
「これね、生で食べられるよ」
■永島由菜アナウンサー
「生で食べられるんですか⁉初めての白オクラ、頂きます。おいしい。食感がパリパリしていて、いいですね」
■山﨑むつみさん
「口の中でネバネバが出てきて、なんとも言えないでしょ?」
■永島由菜アナウンサー
「普通のオクラより粘りが強い気がするんですけど、気のせいですか?」
白オクラの最大の特徴は、粘り。一般的な緑のオクラと比べ、約3倍あります。粘りの素は、ムチンやペクチンという成分です。消化器の粘膜を保護し、善玉菌を増やして腸内作用を整える効果が期待できるといわれます。粘りたっぷりの白オクラが夏バテ防止の食材といわれるゆえんですね。
■永島由菜アナウンサー
「白オクラを育てる時に、こだわりってありますか?」
■山﨑むつみさん
「葉に虫がつくんですよ。それを手でとる。オクラのために、ごめんねって言いながら」
肥料は、米ぬかや魚の骨が入った栄養たっぷりのものを使います。白オクラは皮が柔らかく傷みやすいため、ほとんど市場に流通しません。愛情たっぷりで育てた山﨑さんの白オクラが買えるのは上天草市の道の駅だけ、しかも3か月限定です。