水難遭遇経験ある2人「過去との葛藤/何度も怖さ体感」長良川で溺れた男性救助 岐阜・関署が感謝状

AI要約

岐阜県警関署が長良川で男性を救助した際、2人が感謝状を贈られた

救助された男性は命に別状はなかったが、川での安全意識が不足していることが課題となった

川での水難事故を経験した森さんは、地元の危険性を強調し、安全に関する取り組みを提案した

水難遭遇経験ある2人「過去との葛藤/何度も怖さ体感」長良川で溺れた男性救助 岐阜・関署が感謝状

 岐阜県警関署は、美濃市港町の美濃橋下流の長良川で溺れている男性(22)を救助したとして、会社員島田智史さん(46)=同市=と長良川鵜飼の船頭森聡司さん(40)=富加町=に署長感謝状を贈った。救助された男性は関市内の病院に救急搬送されたが、命に別条はなかった。

 2人は先月30日正午ごろ、愛知県から友人とバーベキューに来て泳いでいた男性の叫び声を聞きつけ救助に駆けつけた。男性は川を泳いで横断しようとし、深さ約4メートルの川の真ん中で溺れたため、2人は泳いで溺れている男性の体をつかみ、岸まで引き上げた。

 小学6年生の息子と2人で川遊びに来ていた島田さんは「息子と一緒だったのでとにかく必死だった」と話す。しかし流された子どもを助けようとした知人男性を亡くした過去があるため、「あの時の行動は本当に正しかったのか」と自問自答し、「せめて救助用のロープなどが河原の目立つ場所に置いてあれば、知識のある人がより安全に救助できるのではないか」と振り返った。

 森さんは20年近く美濃橋付近で泳いでおり、昨年から川や海で長距離を泳ぐ競技「オープンウオータースイミング」も始めた。当日もトレーニングを終えたところで、叫び声を聞いて救助に向かった。過去何件もの水難事故に遭遇し、川の怖さも見てきた森さんは「自分たちも知っている場所だからといって過信してはいけない」と話す。

 感謝状を贈った中井敏克署長は、今回は川に詳しい複数人が救助した特殊な事例としながら「勇気ある行動に感謝申し上げる」と話した。