宇都宮市などが保護者らへ異例の要望 教員負担減に理解を 長時間勤務防止、教育活動に専念狙う

AI要約

小中学校における働き方改革を進める宇都宮市と同市教育委員会は、教職員の職務負担の軽減に理解を求めるメッセージを発信することを決定。

市は2014年度から働き方改革の取り組みを行い、過労死ラインの時間外勤務を減らすためのアクションプランを継続して実施している。

市と市教委は、早ければ9月にも保護者や地域住民に対して働き方改革に向けたメッセージを発信する予定。

宇都宮市などが保護者らへ異例の要望 教員負担減に理解を 長時間勤務防止、教育活動に専念狙う

 小中学校における働き方改革を進める宇都宮市と同市教育委員会は19日、市役所で市総合教育会議を開き、教職員の職務負担の軽減に理解を求めるメッセージを、地域住民や保護者に向けて発信することを明らかにした。長時間勤務が常態化する教育現場の現状を踏まえ、学校行事の効率化などの取り組みに協力を呼びかける内容。教職員の働き方改革に関し、学校外部にメッセージを発信するのは初めて。佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「教員の多忙感を解消して教育活動に専念できるよう広く発信したい」と話した。

 会議で示したメッセージ案では、教職員が子どもと関わる時間を増やし、授業などの準備時間を確保するため、働き方改革を進めていることを説明。保護者や地域住民に対し、学校行事の見直しや、勤務時間外の自動音声による電話対応、登下校の見守りや授業補助などボランティア活動への協力を求めた。

 教職員の長時間勤務の解消や負担軽減に向けて市は2014年度から、業務改善などを盛り込んだアクションプランを第2次まで実施。昨年度は第2次プランの見直し版をスタートし、指導要録の電子化や管理職のマネジメント強化、部活動の地域移行・連携の検討に取り組んでいる。

 市教委によると、過労死ラインとされる月の時間外勤務が80時間を超える市内小中学校の教職員数は、19年度の小学校91人、中学校262人から昨年度は小学校47人、中学校150人に減少。見直し版は、小中学いずれも27年度末までにゼロとする目標を掲げている。

 この日の会議で小堀茂雄(こぼりしげお)市教育長は、新型コロナウイルス禍を機に学校行事の効率化を図ったことについて、「なぜ行事を復活させないのか」「運動会を一日開催に戻さないのか」などの声が寄せられていることを報告。その上で「働き方改革推進へ理解を求めるメッセージの発信は、非常に重要」との考えを示した。

 市と市教委は早ければ9月にも、保護者へのメール配信や市ホームページへの掲載、各自治会の回覧などを通してメッセージを発信していく。