たいまつ担ぎ山を駆ける 福島・富岡「麓山の火祭り」

AI要約

福島県富岡町上手岡地区の麓山神社で行われる「麓山の火祭り」は、地域の安寧や豊作を祈願する伝統行事で、30人の若衆が燃え盛るたいまつを肩に担いで山道を駆ける様子が伝統的な祭りを彩っている。

麓山の火祭りは400年以上続く歴史を持ち、福島第1原発事故やコロナ禍を経ても、伝統を守り続けている。参加者たちは祭りを通じて地域の盛り上げや復興に貢献したいと意気込んでいる。

祭りに参加する若者たちの熱意と努力が、伝統行事を支え、地域社会に活気をもたらしている。伝統と現代が融合した祭りは、地域の絆を深める重要な文化財となっている。

たいまつ担ぎ山を駆ける 福島・富岡「麓山の火祭り」

 福島県富岡町上手岡地区の麓山(はやま)神社に受け継がれる県指定重要無形民俗文化財「麓山の火祭り」は15日、同神社で開かれ、若衆ら30人が燃え盛るたいまつを肩に担いで山道を駆け、地域の安寧や豊作を願った。

 麓山神社氏子総代会、はやま青年会、麓山神社伝統芸能保存会が連携して開催。上半身裸の担ぎ手がたいまつを肩に持ち、麓山の山頂にある奥の院を目指して列を作って進んだ。つづら折りの山道では「千灯(せんどう)、千灯」とかけ声を上げた。

 頂上で祈願成就の万歳三唱をして駆け下り、社殿を右回りに巡って締めくくった。境内にいる地域住民は拍手と歓声で迎えた。ご神体のサカキを持って先導した同町出身で福島市在住の佐藤勇樹さん(25)は「小さい頃から憧れていた伝統行事。今後も関わり続けたい」と語った。

 担ぎ手となった同町出身でいわき市在住の芳賀満稔さん(40)は「毎回達成感がある。祭りに関わることで、町を盛り上げて古里復興につなげたい」と語った。

 麓山の火祭りは400年続くとされる行事。東京電力福島第1原発事故による中断を経て2018年に復活。コロナ禍で休止したが、23年に再び復活した。