大川原の火流し勇壮に・黒石
青森県黒石市東部の大川原地区で650年以上続く伝統行事「大川原の火流し」が行われた。
男衆18人がカヤ舟を操りながら2.5メートルの帆柱を勇壮に下り、火の粉が散る中で目的地に到達した。
火流しは翌年の稲作の豊凶を占う行事として定着しており、南北朝時代の落人が移り住んだ地域で戦乱の死者の慰霊とされる。
青森県黒石市東部の大川原地区で650年以上続くとされている伝統行事「大川原の火流し」が16日夜、行われた。
午後7時過ぎ、すげがさに野良着姿の男衆18人が中野川に入り、燃え盛る高さ2.5メートルの帆柱を傾けないよう3隻のカヤ舟を操りながら勇壮に下った。川辺では哀愁漂うはやしや見物客の声援が。火の粉が散る中、男衆は約300メートル下流の目的地まで10分ほどかけてたどり着いた。
近年はカヤ舟の燃え具合から、翌年の稲作の豊凶を占う行事として定着している。大川原火流し保存会の佐藤秀春会長(76)は「炎がいい具合だったので平年並みに収穫できるだろう」と語った。
大川原地区には南北朝時代に南朝方の落人が移り住んだとの言い伝えがあり、火流しは戦乱の死者の慰霊が起源ともされる。