児童虐待相談最多2725件、種別最多は心理的虐待 岐阜県子どもセンター、対応ダイヤル周知進む

AI要約

岐阜県子ども相談センターは2023年度に対応した児童虐待の相談対応件数が2725件で、前年度比41件増の過去最多を記録した。

心理的虐待が最も多く、虐待を受けた年齢や主な虐待者にも特徴が見られた。相談の主な経路も増加しており連携体制の重要性が示された。

施設職員による虐待の通告件数も増加しており、県が指導に当たる事例もあった。

児童虐待相談最多2725件、種別最多は心理的虐待 岐阜県子どもセンター、対応ダイヤル周知進む

 岐阜県子ども相談センター(児童相談所)が2023年度に対応した「児童虐待の相談対応件数(速報値)」は前年度比41件増の2725件で、3年連続で過去最多を更新した。県子ども家庭課は「児童虐待に対する意識や認識の高まりに加え、児童相談所虐待対応ダイヤル『189(いちはやく)』の周知が進んだ」と分析している。

 件数は県内に5カ所ある同センターの総計。種別で最も多かったのは「心理的虐待」で、1427件と全体の約52%を占めた。「身体的虐待」は960件で約35%、「保護の怠慢・拒否(ネグレクト)」は300件で約11%だった。5年前の18年度と比べると心理的虐待の割合が増加した。

 虐待を受けた年齢は「9歳~12歳未満」が538件、「6歳~9歳未満」が523件と目立ち、それぞれ全体の約2割。主な虐待者は「実母」が1224件、「実父」が1197件で、合わせると9割近くに上った。

 相談の主な経路は「警察等」が899件で最も多く、「学校等」の533件、「市町村」の485件が続いた。いずれも5年前と比べると大きく件数が伸びており、同課は、県警と岐阜市の職員が市子ども・若者総合支援センター(エールぎふ)の同一フロアで連携するなど、組織の垣根を越えた態勢づくりが相談対応件数全体を押し上げているとの見方を示した。

 一方、児童養護施設や障害児施設などに入所している児童に対する施設職員による虐待の状況も公表。県への通告件数は14件と、前年度3件から約4・7倍になった。このうち虐待の事実が認められた事案は5件。身体的虐待と心理的虐待、性的虐待、ネグレクトがそれぞれ確認され、県が文書による指導を行った。