高速ランニングマシンに6歳の子を無理やり乗せた父親、子どもが死亡し25年の禁固刑(アメリカ)

AI要約

6歳の子どもを死亡させた父親が過失致死罪で禁固25年の判決。子どもをランニングマシンに無理やり乗せた過程での虐待が死因とされる。

母親が息子の命を危険視して緊急親権を申し立てたが認められず、最終的に息子は病院に運ばれるも治療不能で亡くなる。

父親は無実を主張し、母親に謝罪するも拒否される。裁判で母親は、息子を取り戻せない事実を訴えた。

高速ランニングマシンに6歳の子を無理やり乗せた父親、子どもが死亡し25年の禁固刑(アメリカ)

アメリカ・ニュージャージー州で8月2日、6歳の子どもを死亡させたとして、父親が過失致死罪などで禁固25年の判決を言い渡された。

クリストファー・グレゴール被告は2021年3月20日、6歳のコリー・ミッチョロさんを高速のランニングマシンに無理やり乗せ、危険な状態にさらした。

コリーさんはその13日後の4月2日に死亡し、当局は死因を父親の虐待に関連した怪我だと判断した。

裁判で公開された監視カメラ映像には、グレゴール被告が、コリーさんが使用していたランニングマシンの速度を上げる様子が映っている。

スピードについていけなくなったコリーさんは、ランニングマシン上で転倒して体を打ち付けている。しかし、グレゴール被告はコリーさんの体を抱き上げて無理やりランニングマシンに乗せ、走らせ続けた。

映像で、コリーさんはランニングマシンの上で複数回転倒している。

最終的に、グレゴール被告はスピードを落としてランニングマシンを止め、コリーさんと一緒にジムを出ている。

共同親権を持つ母親のブリアナ・ミッチョロさんは、あざに気づいたほか、ランニングマシンのことも知ったため、子どもの命の危険を感じて緊急親権を申し立てた。しかし、認められなかったと裁判で証言した。

ミッチョロさんは4月1日にコリーさんと面会した際に病院に連れていったが、医師から感染症や呼吸困難の徴候は見つからなかったと言われたという。

コリーさんはグレゴール被告と住んでおり、4月1日の午後7時にはミッチェロさんがグレゴール被告のもとにコリーさんを連れて帰る予定だった。

しかし、コリーさんが病院からミッチョロさんの元に戻ったのが4月2日午前1時頃だったため、グレゴール被告宅に戻る時間が遅れた。

ミッチョロさんがコリーさんをグレゴール被告宅に連れていったのは2日朝で、法廷で開示された資料には、「息子を誘拐した」とグレゴール被告がミッチョロさんをDMで非難するやりとりも含まれていた。

検察によると、コリーさんはその日の午後に体調が悪化。グレゴール被告が病院に連れていき、ミッチョロさんに電話で伝えた。

病院の監視カメラには、グレゴール被告がぐったりしたコリーさんを肩に担いでいる姿が映っていたという。

コリーさんは同日、緊急治療室で発作を起こして死亡が確認された。

グレゴール被告は2021年7月に、ランニングマシンの一件に関連して子どもを危険にさらした罪で起訴され、その後死因が鈍器損傷と判断された後の2022年3月に殺人罪で起訴された。

検察は裁判で、ランニングマシンでの転倒が直接の死因ではないものの、虐待の連鎖がコリーさんの死につながったと主張。死亡した日、母親がコリーさんを家に連れてくるのが遅れたためにグレゴール被告は罰として鈍器で傷を負わせたと訴えた。

一方、グレゴール被告は両方の罪に対して無実を主張し、裁判では「息子を愛していた」と述べて、コリーさんと良い親子関係を築けていたと訴えた。

また、ミッチョロさんに「コリーをもっと早く病院に連れていかなかったことを後悔している」と述べて謝罪した。

しかし、ミッチョロさんはグレゴール被告の謝罪を拒否し、事件後も反省の色を見せなかったとして最高刑を科すよう求めていた。

ミッチョロさんは法廷で「あなたは私の幸せの可能性を奪った。息子を取り戻すことはできないし、息子はもう戻ってこない。もう2度と家族が元通りになることはない」と訴えていた。