心の疲労度が高い“まじめすぎ”な人々4つの特徴 疲弊を防ぐには「修正力」と「対応力」を意識、「人生はなるようにしかならない」と気楽に考える

AI要約

まじめな人の特徴と心理的背景について精神科医の言葉を通じて解説。

まじめな人は強迫観念や他者の評価を気にし過ぎる傾向があり、承認欲求が強く、叱られることを異常に恐れる。

これらの特徴を抱える人は心の疲れやストレスが蓄積しやすいため、バランスを取りながら生きることの重要性について考察。

心の疲労度が高い“まじめすぎ”な人々4つの特徴 疲弊を防ぐには「修正力」と「対応力」を意識、「人生はなるようにしかならない」と気楽に考える

 職場や隣近所、ママ友や趣味の仲間など、人々はいろいろなコミュニティーの中で生きている。そして、多くの人は、皆とうまくやっていくために常に心を砕いている。しかし、場の空気が読めて、人への気遣いができる“まじめな人”ほど、心の疲労度が高いことも事実。どうしたらうまくバランスを取りながら生きていけるのか……。精神科医の片田珠美さんに聞いた。

 一般的な「まじめな人」の特徴と傾向を、片田さんは次のように語る。

【1】「○○しなければならない」「△△してはいけない」という強迫観念が強い

「こうした傾向を、精神分析の世界では『超自我が強い』といいます。超自我とは、親や教師、上司などの上位者・年長者の指示や命令、価値観などが忠実に取り込まれ、刷り込まれたもの。それが自我の一部のようになり、常に自分で自分を監視するわけです」(片田さん・以下同)

 いい加減な人なら「どうでもいいわ」と無視するところだが、まじめな人は忠実に実行しようとするため、強迫観念が強くなる。

「しつけの厳しい家庭に生まれたから超自我が必ずしも強くなるわけではない。超自我は、生育環境と持って生まれた素質との両方の要因で強弱が変わります」

【2】他人からどう見られるかを人一倍気にする

「精神分析では『他者のまなざしを気にする』といいますが、これは【1】の超自我と表裏一体の関係です。

 他者のまなざしを気にすると、どうしても他者の欲望を満たそうとします。つまり、親や教師が自分に望むこと(他者の欲望)を敏感に察知し、叶えようとするんです。子供の頃、勉強やクラスでのまとめ役を頑張ったときに『よくやったね、いい子だね』とほめられますね。そうした過去の成功体験が、『他者の期待に応えたい』という傾向に拍車をかけることはよくあります」

【3】ほめられたい、評価されたいという承認欲求が強い

「【2】の傾向の人は、当然、承認欲求が強くなります。もちろん、認められたい、評価されたいと思うのは特別なことではありません。誰だってそういう気持ちを持っていますが、まじめな人の方が、より承認欲求が強いという印象を受けます。承認欲求を満たすために人一倍頑張るからではないでしょうか」

【4】叱られたらどうしよう、失敗したくないと強く思う

「専門用語でいうと『喪失不安』。ミスや失敗、あるいは遅刻をして叱られたり、自分の評価が下がったりしたらどうしようという不安が強い状態です。喪失不安は【3】と表裏一体で、承認欲求が強い人ほど、叱られることを異常に恐れます」