仮設「一本杉」常連と再会七尾・プレハブに4店舗オープン

AI要約

能登半島地震で被災した七尾市内の飲食店や美容室など4店舗が、仮設商店街で再開し、地元の活性化に向けて一歩を踏み出した。

七尾市が無償提供を受けた土地に店舗が入居し、常連客たちは再会を喜び、店主たちは再建への意欲を示した。

自治体が支援する仮設商店街は各店の再出発を支え、地域の復興に寄与することが期待されている。

仮設「一本杉」常連と再会七尾・プレハブに4店舗オープン

 能登半島地震で被災した七尾市内の飲食店や美容室など4店舗が16日、同市一本杉通りに整備された「仮設商店街」で営業を始めた。自治体による仮設商店街のオープンは被災地で初めて。各店には常連が続々と訪れ、店主らが震災で奪われた時間を取り戻すように自慢の一品やサービスを提供し、再建の一歩を踏み出した。

 七尾市がのと共栄信用金庫から無償提供を受けた土地に計320平方メートルの平屋のプレハブ2棟を建設し、民宿「民荘 太左エ門」(能登島鰀目町)、結納品販売・コクブ(一本杉町)、美容室イコマ(生駒町)、喫茶店・中央茶廊(府中町)が入居した。

 各店には再開を待ちわびた常連らが次々と訪れた。七尾のご当地漫画「君は放課後インソムニア」の聖地として知られる中央茶廊は店舗が全壊し、仮設商店街で再起を図る。店内にはコーヒーの香りが漂い、常連の田本つかささん(36)は「すぐに駆け付けた。将来的には元の場所で復活してほしい」と話した。

 民宿「民荘 太左エ門」は料理店として再出発し、海鮮丼を提供。コクブの国分誠雄社長(79)は「地元で商売を続けられてほっとしている。再建まで頑張りたい」と力を込めた。

 営業開始に合わせてオープニングセレモニーが開かれ、茶谷義隆市長が「待ちに待った再開。一本杉のにぎわいを取り戻して能登の復興につなげたい」とあいさつし、のと共栄信用金庫の鈴木正俊理事長らがなりわい再建に期待を込めた。

 仮設商店街は中小企業基盤整備機構の補助金を活用し、自治体が整備する。家賃は無料となり、光熱費や内装費は各店が負担する。各店は仮設店舗で営業しながら本格的な再建を目指す。七尾市のほか、志賀町で9月に開業を予定し、珠洲市や輪島市、穴水町でも建設が進められている。