入札前から業者と接点「恩義感じ、情報漏らした」 官製談合事件

AI要約

福島県が発注した福島空港の工事用道路公共工事の入札を巡り、官製談合防止法違反などの罪で在宅起訴された福島空港事務所建設課主査の被告の男が業者との関係を明らかにした。

被告は業者から助言を受け、情報を漏らし入札に影響を与える行為が行われていた可能性が浮上している。

関係者によると、工事の公開を通じて事件の経過と進捗が報道陣に公表された。

入札前から業者と接点「恩義感じ、情報漏らした」 官製談合事件

 福島県が発注した福島空港の工事用道路公共工事の入札を巡り、官製談合防止法違反などの罪で在宅起訴された福島空港事務所建設課主査の被告の男(50)=白河市=が、入札前から業者と接点があり「恩義を感じ、情報を漏らした」などとする趣旨の発言をしていたことが9日、関係者への取材で分かった。

 関係者によると、被告の主査の男は入札前、公契約関係競売入札妨害の罪で在宅起訴された石川町の土木会社「志賀建設」の従業員の被告の男(70)=古殿町=から工事の段取りなどに関する助言を受けていた可能性がある。

 志賀建設は空港内の草刈りや雪かきを委託されている「いしかわ施設敷地管理事業協同組合」に所属、被告の従業員の男は日報を提出する立場で空港事務所内を日常的に出入りし、被告の主査の男と面識があった。

 被告の主査の男は被告の従業員の男から情報を請われ、付箋に秘密事項の予定価格を書いて情報を伝えたという。

 事件を巡っては、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の罪で同事務所建設課の課長の男(55)が略式起訴、公契約関係競売入札妨害の罪で志賀建設に勤めていた男(69)=石川町、男(63)=平田村=の両被告が在宅起訴されている。

 県は9日、玉川村の福島空港敷地内の工事現場を報道陣に公開した。ダンプカーなどの工事車両を通すために空港南側の計2カ所で道路の拡幅や掘削を行った工事で、いずれも完了している。