三重・松阪市は「警戒準備態勢」 南海トラフ、初の「注意情報」発表で

AI要約

宮崎県日南市で最大震度6弱を観測する地震が発生し、気象庁が南海トラフ巨大地震の注意情報を初めて発表。

関連自治体では災害対策本部を立ち上げ、市民に注意を呼び掛ける態勢を整えている。

気象庁からの注意情報発表は初めての試みであり、地震に備えた防災行動が求められている。

 8日午後4時43分ごろ、宮崎県日南市で最大震度6弱を観測する地震が発生したことを受け、気象庁が初めて南海トラフ巨大地震の注意情報を発表した。「今後1週間程度は通常より大規模地震が発生する可能性が高まっている」とし、該当する「想定震源域」の自治体に注意を呼び掛けた。これを受け同震源域に当たる三重県松阪地区1市3町では、災害対策本部を立ち上げるなどして市町民に注意を呼び掛けるとともに、24時間態勢で気象庁や国からの情報収集を進めている。

 松阪市は市の防災計画で、災害対策本部の設置基準を「巨大地震警戒」としている。同市は気象庁が「調査」に入った午後5時ごろから、市防災対策課の職員らが24時間態勢で情報収集する「警戒準備態勢」で対応した。

 同7時15分に気象庁の「注意」発表を受けて、同9時10分に市の屋外防災行政無線や市のホームページなどで一斉に、市民に地震への備えを呼び掛けた。

 多気郡多気町は同7時15分に災害対策本部を設置し、情報収集をはじめメールやLINEなどで注意を呼び掛けた。

 明和町は、県が災害対策本部を設置したことを受け同5時に本部設置。防災無線などで町民へ呼び掛けた。その後の「注意」を受け、改めて防災無線や町公式LINEで備えを求めた。

 大台町は本部設置前の準備態勢に移行し、同5時45分と同7時45分に防災行政無線で町民に注意喚起した。

 また松阪署や松阪地区広域消防組合では、緊急時に備えて警戒態勢を取って備えている。

 沿岸部に位置する松ケ崎住民自治協議会の山本均会長(76)=松ケ島町=は「(災害への意識が高まっている)今のタイミングを見逃すべきではない。家庭で自分たちができる地震対策を話し合ってもらいたい。住自会としても啓発をしたい」と話している。

 気象庁によると、震源の深さは約30キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7.1(推定)。同庁は同日午後7時15分に「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表。想定震源域の1都2府26県707市町村に注意を呼び掛けた。想定震源域で地震発生の可能性が高まっている場合、調査に着手し約2時間後に▶巨大地震警戒▶同注意▶調査終了──のいずれかを発表し、該当自治体はそれに応じた防災行動を取る。発表は2019(令和元)年に運用が始まって以来初めて。