児童虐待相談1万7432件 23年度の埼玉県内 乳幼児が4割占める 「家族や近隣からの通告が増」

AI要約

埼玉県は2023年度の児童相談所での児童虐待相談対応状況をまとめ、相談件数は前年比1.5%増の1万7472件であり、乳幼児が4割を占めている。心理的虐待が最多であった。

乳幼児が通告全体の42・9%を占め、虐待者は実母と実父が91.9%を占める。内容別では心理的虐待が62.8%と最も多かった。

家族や近隣からの通告が増えており、少しでも疑いがあれば迷わず相談するよう啓発している効果がある可能性があると述べられている。

児童虐待相談1万7432件 23年度の埼玉県内 乳幼児が4割占める 「家族や近隣からの通告が増」

 埼玉県は6日までに、2023年度の県内児童相談所における児童虐待相談対応状況をまとめ、相談対応件数は前年度比1・5%増の1万7472件だったと発表した。年代別では乳幼児が4割を占め、内容別では心理的虐待が最多だった。

 県こども安全課によると、24年1月に厚生労働省およびこども家庭庁が発出した通知に基づき、虐待行為がないことが確認されたケースは対応件数から除外され、22年度は1万8877件から1万7213件に変更された。年代別では通告全体の42・9%を乳幼児(0~3歳未満=3041件、3歳~就学前=4459件)が占めた。小学生が5996件、中学生が2636件、高校生などが1340件だった。虐待者は実母(8666件)と実父(7386件)が合わせて91・9%に上った。

 内容別では心理的虐待が最多の1万977件(62・8%)。身体的虐待が3765件(21・5%)、保護の怠慢・拒否(ネグレクト)が2568件(14・7%)だった。

 県こども安全課の担当者は「件数や内訳に前年比で大きな違いは見られないが、家族や近隣からの通告が増えている。少しでも疑いがあれば迷わず相談するように啓発している効果ではないか」と話した。