生き別れた母と子の偶然の再会を熱演、中学生の部活動が人形浄瑠璃300年の歴史を担う

AI要約

長野県飯田市で開催されたいいだ人形劇フェスタ2024は、国内最大規模の人形劇の祭典で、270以上の劇団が参加し、4日間で約370公演が行われました。

最終日には、市内の二つの人形浄瑠璃が公演され、特に黒田人形と今田人形が注目を集めました。

未来の人形劇愛好家を育てる若手の活躍や、地域の伝統文化の継承が重要視され、観客からも大きな支持を受けました。

生き別れた母と子の偶然の再会を熱演、中学生の部活動が人形浄瑠璃300年の歴史を担う

 長野県飯田市を主会場に開いた国内最大級の人形劇の祭典「いいだ人形劇フェスタ2024」は4日、閉幕した。国内外270余の劇団が参加し、4日間で約370公演を実施。猛暑の中を多くの人が訪れ、人形たちが織りなす個性豊かな舞台を楽しんだ。

 最終日は、それぞれ300年余りの歴史を持ち、国選択無形民俗文化財に指定される市内二つの人形浄瑠璃の公演があった。同市上郷黒田の「黒田人形」は、拠点の「黒田人形浄瑠璃伝承館」で、地元の高陵中学校黒田人形部の部員ら約20人が「傾城(けいせい)阿波の鳴門 順礼歌の段」を披露。生徒らは人形遣いや太夫、三味線といった役割をこなし、生き別れた母子が偶然再会する場面を熱演。見守った約70人から大きな拍手が起きた。

 物語の語り手である太夫を初めて務めた1年生の池田智哉さん(13)は「長いせりふが難しかったが、楽しかった」と笑顔。三味線を弾いた3年生で部長の田中和花さん(14)は「黒田人形を広く知ってもらい、演じる側への関心も高めたい」と話した。

 同市龍江の「今田人形」は地元の「今田人形の館」で、住民有志の今田人形座が上演。約60人の観客を魅了した。