子宮頸がん予防早めに HPVワクチン公費接種今年度で終了【宇部】

AI要約

2022年度から積極的な接種勧奨が再開された子宮頸がん予防のHPVワクチンのキャッチアップ接種が終了することに伴い、宇部市では未接種の対象者5316人に勧奨はがきを送付。

HPVワクチンを3回接種していない女性が対象で、市内の接種率は低い状況。子宮頸がんの予防効果や必要性が強調されている。

キャッチアップ接種対象者は来年から実費となり、ワクチンの費用が高いため、早めの接種を促す取り組みが行われている。

子宮頸がん予防早めに HPVワクチン公費接種今年度で終了【宇部】

 2022年度から積極的な接種勧奨が再開された子宮頸(けい)がん予防のHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン。勧奨が控えられていた13~21年度に接種機会を逃した女性への公費による無償接種(キャッチアップ接種)が今年度末で終了することを受け、宇部市は未接種の対象者5316人に勧奨はがきを7月末に送付した。必要な3回の接種を公費で行うには、初回を9月末までにする必要があり、市では早めの接種を呼び掛けている。

 

 対象は、1997年4月2日~2008年4月1日生まれで、HPVワクチンを3回接種していない女性。市によると、キャッチアップ接種が始まった22年度の市内接種率は7・1%、23年度は6・7%と、対象女性の多くが3回の接種を完了していない。また、小学6年生~高校1年生が対象となる公費による定期接種の接種率も22年度が12・1%、23年度が14・1%と低い。

 

 子宮頸がんの原因の大半はHPVへの感染と考えられており、感染要因は主に性的接触とされる。女性の多くが一度は感染するものの、ほとんどの人がウイルスは自然に消えると言われており、ワクチンの接種と検診との併用で予防効果は高まるとされる。

 

 厚生労働省によると、国内では毎年約1万1000人の女性が子宮頸がんにかかり、約2900人が亡くなっている。年齢別では20歳代から増え始め、30~40歳代での発症が最も多い。30歳代までに治療で子宮を失ってしまう人も年間で約1000人いるという。

 

 キャッチアップ接種対象者は、来年4月1日から実費となり、ワクチン3種のうち、最も効果が高いとされる9価ワクチン「シルガード9」は1回の接種で約3万円、3回で約10万円かかるという。

 

 市内の公費接種可能病院は43カ所。接種履歴が分かる親子健康手帳などの書類と健康保険証が必要。問い合わせは市健康増進課(電話31-1777)へ。