蚊に刺されて入院? 放置厳禁の「蜂窩織炎」とは? 転倒・靴ずれ・クラゲもきっかけに

AI要約

次男が虫刺されから蜂窩織炎になり、足が腫れて水ぶくれができる異変に見舞われる。

蜂窩織炎は感染が進み、全身に影響を及ぼす危険性があるため、早めの治療が必要。

暖かい季節は虫刺されに注意し、異変があれば早めに医師を訪れることが重要。

蚊に刺されて入院? 放置厳禁の「蜂窩織炎」とは? 転倒・靴ずれ・クラゲもきっかけに

 「だんだん腫れがひどくなってきて、水ぶくれもどんどん増えてきて」

 水ぶくれができ、赤く腫れた足。アゴママさんは2歳半の次男に起きた異変についてXで詳細にレポートした。

 「虫刺されがあったため(医師に)『ちょっとばい菌が入ってるかもね』と抗生剤の飲み薬と塗り薬をもらって『ちょっと様子を見てください』と言われた」

 小児科を受診する数日前、蚊に刺されていたという次男。抗生剤と解熱剤を処方されたものの症状は治まらず、アゴママさんは大きな病院に連れていった。

 「病院に行くために車に乗せるために抱き上げたら、いつもは聞かないような叫び方をした。そのくらい足が痛かったようで、熱と足の痛さでぐったりしていた」

 そこで診断されたのが、細菌が皮膚の傷から入ることで起こる感染症、蜂窩織炎(ほうかしきえん)だった。

 「入院するかどうか、という話になり、飲み薬が苦手なので入院をお願いした。点滴をし、同時に血液検査をしてもらって、炎症反応と白血球の数値が高いということで診断がついた」

 蚊に刺された後の足の腫れが入院する事態に…。症状を放置すると、深刻な病状を引き起こす恐れがあると専門家は話す。

 「そのまま放っておいて全身の血液に細菌が回ると菌血症になり、発熱やリンパ管炎などの全身症状を呈する。最悪のケースとしては、局所の細菌感染と相まって病変の腫れが急速に進行すると皮膚表面が虚血症状に陥って水疱や紫斑・潰瘍・壊死が出現し壊死性筋膜炎やガス壊疽などの複雑性皮膚・軟部組織感染症に移行し、外科的手術が必要になることがある」(トータルスキンケア・クリニック銀座 中野敏明院長、以下同)

 また、免疫が低下している子どもでは重症化すると敗血症になり、多臓器不全で命に関わる状態になる可能性もあるという。

 転んだときにできた傷や、今回のケースのように蚊やブユなどの虫刺されが原因になることもある蜂窩織炎。露出が多くなる暖かい季節は、けがや虫刺されの後の異変を注視する必要があるという。

 「通常、自然に治ることは難しい。虫に刺されただけならかゆいが、かゆみから痛みに変わる、熱を持つようになると早めに治療しないと菌血症に移行することがある。虫刺されで腫れ上がるようなお子さんを持つ親御さんは、皮膚の露出を減らす、虫よけスプレーを使う、蚊が多い場所や(蚊が多い)夕方などに注意してほしい。そして、かゆいが痛いに変わったら早めにクリニックを受診するべきだ」

(『ABEMAヒルズ』より)