認知症、45%予防・遅延可能 英医学誌、14のリスク提示

AI要約

英医学誌ランセットの委員会が認知症のリスク要因に関する研究をまとめた報告書を公表。2020年の報告に加えて新たに視力障害と高コレステロールをリスク要因として追加。生涯にわたる対策の重要性を強調。

報告書では低い教育水準、頭部外傷、運動不足、喫煙、過度の飲酒など、認知症リスク要因とされる12項目に加え、食生活や血管の健康に関する項目が挙げられている。

14項目全てが認知症の原因と証明されてはいないが、関連性が指摘されている。視力検査や40歳からの悪玉コレステロール管理、教育や知的刺激を受けられる環境づくりが推奨されている。

 【ワシントン共同】英医学誌ランセットの委員会は7月31日、認知症のリスク要因に関する研究をまとめた報告書を公表した。2020年の前回報告で挙げた12項目のリスクに「視力障害」と「高コレステロール」を新たに追加。政府や個人が対策を進めることで認知症発症の最大45%を防いだり遅らせたりできる可能性があると指摘した。

 他のリスク要因は、低い教育水準▽頭部外傷▽運動不足▽喫煙▽過度の飲酒▽高血圧▽肥満▽糖尿病▽聴力障害▽うつ▽社会的孤立▽大気汚染。食生活や血管の健康に関する項目が目立った。

 14項目全てに認知症の原因になるとの証拠があるわけではないが、いずれも関連が示されている。委員会は生涯を通じて対策をすることが大切だと強調。視力検査や40歳ごろからの悪玉コレステロール管理を推奨した。

 子どもに質の高い教育を提供し、中年期にも知的な刺激を受けられるようにすることを勧めた。ラグビーなどコンタクトスポーツでは頭を守る保護具の着用を徹底し、頭をけがした直後のプレーは避けるべきだと指摘した。