「お疲れさま、通るで」地下鉄を無賃乗車する職員、上司が「隠ぺい策」 相次ぐ京都市の不祥事 新組織立ち上げた松井市長は「残滓を明るみに…」

AI要約

京都市で相次いで発覚した職員の不祥事について、市政の問題点が浮き彫りになっている。

不祥事の背景や再発防止策を検証する新組織が設置され、市政の見直しが行われることとなった。

コンプライアンスの強化や職員全体の点検など、問題の根本的な解決に向けた取り組みが行われることが期待される。

「お疲れさま、通るで」地下鉄を無賃乗車する職員、上司が「隠ぺい策」 相次ぐ京都市の不祥事 新組織立ち上げた松井市長は「残滓を明るみに…」

「市政の残滓のようなものを明るみに出す」と述べた京都市の松井孝治市長。

頭を悩ませるのは相次ぐ職員の不祥事、組織にはびこる『前時代の名残り』かもしれません。

 7月、京都市交通局高速鉄道部の男性助役(50代)と男性職員(20代)が懲戒免職処分を受けました。

 京都市によると、助役は先月までに、市営地下鉄の駅の執務室でICカードの入場記録を不正に取り消して無賃乗車を170回繰り返したといいます。

 また男性職員は同僚や後輩に、「お疲れさま、通るで」などと声をかけ、切符やカードを使わずに改札を通って計9回、無賃乗車をしていたということです。

 2人とも、通勤用として支給された交通費で定期を買っていなかったといいます。「小遣い稼ぎのためで、軽い気持ちだった」などと話したということです。

 実は改札を通り抜ける行為は、別の職員に目撃されていました。改札担当者が「不審な行為」だと別の職員に相談し、報告は50代の上司に上がりました。

 すると上司は「定期券を持っていたことにしよう」などと隠ぺいを提案したというのです。

 この1週間後、不正を告発する匿名の手紙が市長あてに届きます。

 市が調査に着手しようとしたタイミングで、例の「隠ぺい」をもちかけた上司が所属長に報告して事態が明るみに。結局、この上司も、問題を2週間報告していなかったとして、減給(1日)処分されました。

さらに7月には別の事件も。上下水道局の主事・柳生精治被告(64)が下水道工事の受注で便宜を図った見返りに、業者から現金10万円を受け取ったとして逮捕・起訴されました。

こうしたことが相次ぎ29日、京都市はコンプライアンス推進本部会議を開きました。

松井孝治市長は、「私としては、看過しがたいものがある。」「背景に何があるか、もう一度残滓のようなものを明るみに出して、徹底的に市政を見直さなければならない」と述べ、新組織を設置しました。

外部有識者の意見を取り入れながら、個別の不祥事の原因や再発防止策を検証するチームに加え、不祥事発生につながる土壌がないか職員全体を点検するチームなどを、設置したということです。