静岡市、相次ぐ事務事業事故 法令誤認や順守意識不足

AI要約

静岡市で5月以降、不適切な事務処理などの事務事業事故が相次いで明らかになっている。職員の法令解釈の誤認やコンプライアンス意識の欠如が原因とされる事案が多く、財政的な影響が出た事案も見られる。

2024年度に入り市が公表した事務事業事故は、介護保険サービス利用者への過大な給付や水道事業収入における課税取引と非課税取引の認識誤り、広報紙の記事の事前確認不足による再印刷・配布の遅れなど既に11件に上る。

市は人材育成として、部署ごとのOJT(職場内訓練)指導員による新人職員への教育や新任係長への研修などを継続的に実施している。

 静岡市で5月以降、不適切な事務処理などの事務事業事故が相次いで明らかになっている。職員の法令解釈の誤認やコンプライアンス意識の欠如が原因とされる事案が多く、財政的な影響が出た事案も見られる。部署ごとにマニュアル作成や確認ルールの見直しを進めるなど再発防止に努めているが、職員の法令習熟度の低下を懸念する声もあり、対策がどこまで効果を発揮するかは見通せない。

 2024年度に入り市が公表した事務事業事故は、介護保険サービス利用者への過大な給付や水道事業収入における課税取引と非課税取引の認識誤り、広報紙の記事の事前確認不足による再印刷・配布の遅れなど既に11件に上る。

 市は人材育成として、部署ごとのOJT(職場内訓練)指導員による新人職員への教育や新任係長への研修などを継続的に実施している。一方で、新卒時の職位である主事から主任主事に昇任するための試験は15年度から廃止。地方自治法などの習熟度の確認テストは実施しているが、昇任には直接、関係していないという。市幹部の一部からは「若手職員が基本的な法令などを勉強する機会が減っている」と懸念の声も上がる。

 市コンプライアンス推進課によると、20年度から23年度までの事務事業事故は非公表の案件を含めると年間約150~200件で推移している。23年度からは事務事業事故の内容を全職員に共有し、すべての案件で再発防止策の履行状況を継続的に確認するようにしている。

 難波喬司市長は26日の定例記者会見で、ミスは必ず起こりうるとした上で「組織的なダブルチェックを全庁的に徹底している。継続的にしつこく取り組んでいくことが必要」と述べた。