雨乞い行事なのに雨で四苦八苦 上田市で500年余の伝統行事

AI要約

長野県上田市別所温泉で行われた岳の幟の雨乞い行事には約150人が参加し、龍神を模した竹ざおを持って雨を呼び寄せる行事が行われた。

500年以上の伝統を持つ岳の幟は大干ばつをきっかけに始まり、雨乞いの儀式として行われている。地元の子どもたちも参加し、ささら踊りや三頭獅子の舞が披露された。

参加者は雨に四苦八苦しながらも力強く竹ざおを持ち上げ、無事に行事を終えた。地元の団体や協力者の支援もあって、成功裏に幕を閉じた。

雨乞い行事なのに雨で四苦八苦 上田市で500年余の伝統行事

 長野県上田市別所温泉で14日、国選択無形民俗文化財の雨乞い行事「岳(たけ)の幟(のぼり)」があった。地元住民ら約150人は、雨を呼び寄せる「龍神」を模した竹ざお約50本を掲げ、雨の温泉街を練り歩いた。竹ざおに取り付けた色とりどりの鮮やかな布は雨水を吸って重量を増したが、参加者たちは力強く天に持ち上げて運んだ。

 岳の幟は、1504(永正元)年の大干ばつを機に始まったとされ、500年以上の伝統がある。本来は地区内5カ所で舞などを奉納するが、この日は雨で4カ所に縮小。市塩田西小学校の児童37人は太鼓と歌に合わせて竹細工の「ささら」を鳴らす「ささら踊り」を披露。地元の継承団体「岳の会」は勇壮な「三頭獅子(みかしらじし)」を舞った。

 同小6年の斎藤向嬉(むう)さん(11)は「寒かったけれど、みんなで楽しくできた」と笑顔。岳の幟保存会長の松崎良人さん(77)は「雨に四苦八苦したが、けが人もなく無事に終わって良かった。関係する人たちの協力のおかげだ」と感謝していた。