青森県アンテナショップ、来夏に閉店/東京

AI要約

青森県は2025年7月末に東京都千代田区のアンテナショップ「あおもり北彩館東京店」を閉店することを発表。

閉店は周辺の再開発事業に伴い、建物が解体されるため。

県は閉店後、首都圏での物産販売や情報発信拠点の整備に取り組む方針。

青森県アンテナショップ、来夏に閉店/東京

 青森県は10日、東京都千代田区のJR飯田橋駅近くにあるアンテナショップ「あおもり北彩館東京店」を2025年7月末に閉店すると発表した。民間事業者が進めている周辺の再開発事業に伴い、入居している建物が解体されるため。県は閉店後に向け、首都圏での物産販売や情報発信拠点の整備について、24年度内に方向性を取りまとめる。

 あおもり北彩館東京店は02年にオープン。県産品や土産品など約千点の商品を販売するほか、観光情報の発信拠点としての役割も担ってきた。

 運営は青森市の企業「あおもり北彩館」に委託し、年間賃料1832万円は県が負担している。23年度の物販事業の収支は558万円で黒字を確保したが、県が負担する家賃の支出を差し引くと、少なくとも5年連続で赤字が続いている。

 年間来店者数のピークは11年度の12万8千人。近年は新型コロナ禍の落ち込みから回復基調にあったが、23年度は8万7千人で、ピーク時に比べると3割減少した。

 閉店に伴い、県は10月に観光・物産振興団体やマーケティング専門家らによる検討委員会を設置し、新たな拠点に必要な機能や場所、採算性などを調査・分析する。

 県庁で発表した宮下宗一郎知事は「ECサイトの発達やふるさと納税など産地直送が当たり前となり、22年前とは環境が大きく変化した」と強調。「移住に関する施設やイベントスペースの機能、アンテナショップを東京に置く必要があるかどうかも含め、費用対効果を重視し、さまざまな意見を聞いて総合的に判断したい」と話した。

 再開発事業は一帯に事務所や住宅、店舗などが入る高層ビルを建設する計画で、着工は26年度、完成は29年度を予定している。