天然ものより大きく旨い「養殖サザエ」 産官学でブランド化目指す 福岡・福津市で試食会
福岡県福津市で行われている新たな試みとして、サザエの養殖が進んでいます。
磯焼けの問題や漁獲量の減少を受けて、養殖サザエの研究が進められており、福津市のブランド水産物として確立することが目指されています。
養殖サザエは天然サザエよりも大きく成長し、旨味成分や甘み成分が増加しており、市民の間でも好評を得ています。
漁獲量の減少が全国的な問題となる中、福岡県福津市で、サザエを養殖して売り出そうという新たな試みが進んでいます。
ずらりと並んだ大ぶりのサザエ。
１０日、福岡県福津市で開かれたサザエの試食会です。
◆サザエを試食した人
「苦みが全くなくて、コリコリしてて美味しいです」
◆サザエを試食した人
「味付けの必要ないです」
実はこのサザエ、海でとってきたサザエを短期間、人の手で育てた「養殖サザエ」なんです。
◆福津市 原崎智仁 市長
「（養殖サザエが）漁師さんを守り、それが福津市に広がっていき、持続可能な街作りに役立つ」
福津市とイオン九州、それに九州大学水産実験所が共同で進める養殖サザエの研究。
背景には、温暖化などに伴い海藻が減少する「磯焼け」の問題があります。
水産庁によりますと、沿岸漁業の漁獲量は、２０００年の１５８万トンから２０２１年には９６万トンまで大きく減少。
魚の生息地である海藻がなくなる磯焼けも、その要因の一つとみられています。
こうした中、天然物に頼るだけでなく養殖も行うことで、サザエを福津市のブランド水産物として確立することが研究の最大の狙いです。
◆九州大学 栗田喜久 准教授
「この穴とかそうですね。サザエが食った穴ですね」
サザエのエサは、本来なら廃棄されるキャベツの１番外側の葉や昆布を、市とイオン九州が提供しています。
すると、意外な事実も判明しました。
キャベツや昆布で育てた養殖サザエの方が、天然サザエよりも大きく成長し、旨味成分や甘み成分も増加していることがわかったんです。
◆九州大学 栗田喜久准教授
「とても実入りが大きくて、味も非常にいい物ができたと思います」
福津市の原崎市長は、養殖サザエを試食するのは、１０日が初めてです。
◆福津市 原崎智仁 市長
「肉厚が最高ですね。おいしい。もうひとついきます」
あまりの美味しさに、市長もすぐにおかわり。
