「まちなか」にワイナリー誕生 元スパコン広報責任者、阪急線駅そばに開設 神戸産ブドウで8月下旬に醸造開始

AI要約

阪急春日野道駅そばに小さなワイナリー「きら香ぶどう酒醸造」が誕生した。初の醸造所で、神戸産ブドウを使用し、8月下旬からワイン造りが始まる。

代表の辛木哲夫さんは元スーパーコンピューター「京」の広報責任者であり、ワインへの情熱を持つ。子どもの頃の名前をブランド名に反映させている。

神戸の特産物を活用した特区制度を利用し、小規模な醸造が可能。8月下旬にロゼと赤ワインの生産を開始し、日常的に楽しめるワインを目指す。

「まちなか」にワイナリー誕生 元スパコン広報責任者、阪急線駅そばに開設 神戸産ブドウで8月下旬に醸造開始

 阪急春日野道駅そばに小さなワイナリー「きら香ぶどう酒醸造」(中央区神若通1)が今月、誕生した。神戸果実酒・リキュール特区制度を活用した初の醸造所で、神戸産ブドウを使って8月下旬からワイン造りが始まる。手がけるのは、スーパーコンピューター「京」の元広報責任者。醸造所はブドウ畑に併設されることが多いが、駅近の「まちなか」に構えることで「みんなとワインの魅力を共有したい」と話している。(段 貴則)

 代表の辛木哲夫さん(65)は神戸出身で、富士通に入り、スパコン「京」プロジェクトに携わった。ワインにハマったのはベルギー駐在時代。ワイン文化に触れ「自分の心身を健やかな状態に整えて飲むのが一番おいしく、すてきな時間」と感じた。醸造所にも足を運ぶようになったという。

 後に富士通から理化学研究所に移り、神戸・ポートアイランドで「京」や後継「富岳」の広報業務を担当。著書「次世代スパコン『エクサ』が日本を変える!」(小学館新書)も出した一方、酒類醸造の講習を受けるなど、ワインへの思いを温めてきた辛木さん。醸造免許の取得などワイナリー開設に向けた準備を進めてきた。

 ワインのブランド名にもなる「きら香」には「色がきらきらし、香りがいいワインを造りたい」との思いを込めた。また、子どもの頃、名字を逆さにして「きらか」と呼ばれていた意味も含んでいるという。

 同特区は市内を対象にした制度で、神戸の特産物を原料にするなど要件を満たせば、特例で果実酒などの最低製造量を引き下げ、より小規模な醸造が認められる。きら香は同特区を活用した第1号で、醸造所前の歩道からもガラス越しに内部を見ることができる。

 神戸産のワイン用ブドウを使い、8月下旬からロゼと赤ワインの醸造を開始。10月下旬にも最初のワインを販売する見通しで「日常的に生活の中で気軽に飲んでもらえるワインにしたい」と話している。

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