きらやか銀行、銀次期頭取に西塚英樹氏 取締役から昇格

AI要約

国の管理下にあるじもとホールディングス(HD)は、きらやか銀行の最終赤字の大幅な計上により、川越浩司頭取が引責辞任し、新たに西塚英樹取締役が昇格する人事を発表。

きらやか銀行は、地元の取引先企業の倒産による損失計上で業績悪化し、公的資金が投入されている。200億円の返済が困難な状況で、国との協議が続いている。

じもとHDは株主総会で配当見送りが確定し、国による管理状態が解消される可能性があるが、西塚氏の経営立て直しの手腕が問われる状況となっている。

きらやか銀行、銀次期頭取に西塚英樹氏 取締役から昇格

 実質的な国の管理下にあるじもとホールディングス(HD)は9日、傘下のきらやか銀行(山形市)の川越浩司頭取の後任に西塚英樹取締役を昇格させる人事を発表した。2024年3月期で過去最大となる234億円の最終(当期)赤字を計上したため、川越氏は引責辞任となる。就任は9月以降となる見通し。

 西塚氏は1995年に殖産銀行(現きらやか銀)入行。経営企画部長や広域営業部長などを歴任し、24年6月に取締役に就任した。。山形市内で記者会見した西塚氏は「当行再建の手続きを担うことにかつてない緊張感を感じている。山形のために精いっぱい頑張りたい」と抱負を述べた。

 きらやか銀は、地元の取引先企業の倒産などが相次いだことで多額の損失計上を迫られて業績が悪化。09年以降、金融機能強化法に基づき計480億円の公的資金が投入されている。このうち200億円は9月末に返済期限を迎えるが、同行は返済が困難だとして、国との協議を続けている。

 じもとHDを巡っては、6月の株主総会で業績悪化に伴い24年3月期の配当見送りが確定し、優先株を持つ国に63%超の議決権が発生した。復配すれば国による管理状態は解消されるが、経営立て直しの道筋を早期に描けるか、西塚氏の手腕が問われることになる。【成澤隼人、古賀三男】