中世からの伝統「犬甘野の御田」豊作と息災祈る 児童ら昔ながらの農作業再現

AI要約

京都府亀岡市西別院町犬甘野の松尾神社で御田祭が営まれ、昔ながらの農作業が再現された。

今年は西別院小学校の生徒が早乙女役を務め、田植えの様子を祈願した。

宮内寛宮司は地域の皆さんに感謝の意を述べた。

中世からの伝統「犬甘野の御田」豊作と息災祈る 児童ら昔ながらの農作業再現

 京都府亀岡市西別院町犬甘野(いぬかんの)の松尾神社で7日、秋の豊作と地域の無病息災を祈願する「御田祭」が営まれた。境内に木漏れ日が差し込む厳かな雰囲気の中、牛を使って田畑を耕したり、早乙女が苗を植えたりするなど、昔ながらの農作業の様子が再現された。

 「犬甘野の御田」は中世から地元に伝わる祭りで、府無形民俗文化財の指定を受けている。毎年7月の第1日曜に行われており、今年は西別院小5年村上渚世さん(10)、4年大石楓奈さん(9)が早乙女役を務めた。

 かさと水色の涼しげな衣装を身に着けた2人は、扇子と真榊(まさかき)を手に田植えの様子を再現。太鼓のリズムに合わせて一歩ずつ後ろに下がり、丈夫な稲が育つようにと願いを込めた。同小児童や過去に早乙女役を務めた卒業生、地域住民らが見守り、神事が終わると温かな拍手が贈られた。

 宮内寛宮司(85)は、「天候にも恵まれ、滞りなく神事を執り行うことができたのは、地域の皆さんのおかげ」とあいさつした。