クマ被害防止へ 青森県が月内にも個体数調査

AI要約

青森県は、今年度のツキノワグマの個体数調査を開始することを発表。

個体数推定のためにカメラを設置し、対策を検討する。

クマの個体数増加や生息域拡大に対応するため、科学的な対策を検討。

クマ被害防止へ 青森県が月内にも個体数調査

 青森県は26日、本年度予定している県内のツキノワグマの個体数調査を月内にも始める方針を明らかにした。人的被害が相次いでいる八甲田山系をはじめ、白神山地、下北の計3地域に定点カメラを設置。個体数を推定し、有識者会議の意見を聞きながら対策を検討する。県によるクマの個体数調査は5年ぶり。

 同日の県議会環境厚生常任委員会で鶴賀谷貴委員(新政未来)の質問に県自然保護課が答えた。

 同課によると、カメラは赤外線でクマを感知し、自動で撮影する。3地域に60台ずつ設置する予定。今月下旬から9月ごろにかけて、クマの胸部にある三日月型の模様を撮影し、年末までにその画像を分析して個体数を推定する。調査は業者に委託する。昨年県内でクマの出没数、人身被害数が最多だったことなどを受け、県が2023年度一般会計補正予算に関連費用を計上していた。

 常任委で、同課の吉田巧課長は「県内でクマの個体数の増加や生息域が拡大していることが考えられる」と説明。「有識者による検討会議を開き、捕獲の必要性や人とのすみ分けを図る環境整備など『指定管理鳥獣』指定に伴う国の支援も視野に入れながら、科学的かつ計画的な対策を検討する」と述べた。

 鶴賀谷委員は、25日に八甲田山系で発生したクマによる死亡事故に触れ「早期に入山規制すべきだ」と提言。吉田課長は「入山規制は土地所有者の判断。県としては現在、具体的な被害発生場所の確認を進めている」と答えた。

 また、県は26日、ツキノワグマ出没警報発令に伴い、庁内の担当者らを集めた「危機情報連絡員会議」を開催。クマが出没した場所には近づかない-など、各部署で県民に注意喚起することを確認した。同日付で、各市町村長や県内農業団体などに警報発令を知らせる通知を出したという。会議では、音を出す対策を講じてもクマが人間に危害を加える可能性がある-など、注意喚起の内容を共有した。