気絶のような寝落ちをすることも?50代会社員が陥った“魔の睡眠環境”…質を上げるためには室温が最重要

AI要約

忙しい男性会社員が睡眠不足に悩む日常生活と睡眠状況を取り上げる。

睡眠の質に関する専門家のアドバイスを紹介し、質の良い睡眠を得るための要素を解説する。

入眠までの睡眠潜時、中途覚醒、早朝覚醒、睡眠のリズムの4つの要素が重要で、それらが整っていれば熟睡感を得られるという。

気絶のような寝落ちをすることも?50代会社員が陥った“魔の睡眠環境”…質を上げるためには室温が最重要

忙しく働いていると、睡眠時間を確保することは難しい。プライベートも充実させたいとなると、睡眠を削ってしまうこともある。

都内在住で50代の男性会社員も仕事と趣味に忙しい。睡眠時間も毎日4時間ほど。

東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身医師に、この50代男性の睡眠習慣について聞くと、意外にも「一般的で普通に近い」ということだった。

ただ、趣味の演劇を鑑賞中に気絶するように寝落ちしてしまうことは、「睡眠負債がたまっているかもしれない」と指摘する。

毎日の生活が忙しい人からすると、大幅に睡眠時間を増やすことは難しいが、“質”はよくすることもできる。

その質をよくするカギは、「室温」だと話す。まず、男性はどのような生活をしているのだろうか。事例から紹介する。

「6時に目覚ましをかけるけれど、毎日もう少し寝たいと思っているので、うっかり起きられなかった時用というか…。

会社に遅刻しないギリギリの6時45分にも目覚ましを設定しています。21時頃に帰宅し、夕食や晩酌を楽しむので深夜1時半~2時頃に寝ます。

睡眠時間が平均4時間くらいなので、毎日14~15時頃に眠くなります」(50代男性)

日常生活に支障はないというが、睡眠時間が少ない自覚はあり、いつも日中に眠くなるそうだ。

梶本医師は、睡眠は睡眠でも、“質の良い睡眠”が重要だと言う。その“質の良い睡眠”とは、どういったことを指すのか。梶本医師は、キーワードとして“熟睡感”を挙げた。

「朝起きた時に熟睡感(睡眠休養感)が十分満たされている睡眠のこと。睡眠をとってどれだけ休養できたか。その感覚が十分満たされていることが質の良い睡眠の条件です」

“睡眠の質が悪い”と判断できるパターンには、大きく分けて「入眠までの睡眠潜時」「中途覚醒」「朝の早朝覚醒」「睡眠のリズム」という4つの要素があるという。

1:入眠までの睡眠潜時

ベッドに入ってから眠るまでの時間のこと。

少なくともベッドに入ってから15分以内に寝つけていることが重要になる。

短すぎると「睡眠が足りず寝落ち」の可能性があるため、5~15分くらいで眠れると質の良い睡眠の第一歩になる。

2:中途覚醒

途中で目覚めてしまい、起きて寝てを繰り返すこと。

この回数が多ければ、睡眠の質が悪いことになる。例えば、一般的な50代男性であれば2回が限度で、3回以上起きることがあれば、中途覚醒となる。

3:朝の早朝覚醒

朝早く(夜中や明け方の場合も)目覚めて眠れなくなること。

50歳以降によく見られる兆候のひとつ。50歳以上では、寝付きにくい・途中で起きてしまう・朝早く起きてしまう頻度が増える。

4:睡眠のリズム

眠りの深さとタイミングのこと。

ノンレム睡眠からレム睡眠、またノンレム睡眠とリズムがあり、このリズムが悪いことによって熟睡感(睡眠休養感)を得にくいために、質の悪い睡眠になる。

「この要素がすべていい状態になっている場合、“質の良い睡眠”と言える」と梶本医師。

4つが整っていれば“熟睡感”が満ちているはずだ。