「死にたい」と言う人に「死なないで」とは絶対に言わないで…子供たちからのSOSの“最前線”

AI要約

小中高生の自殺者数が深刻な状況にある中、オンラインチャット相談窓口を運営するNPO法人『あなたのいばしょ』が重要な役割を果たしている。

自殺願望を持つ人に対しては、単なる励ましではなく、生きる意欲を引き出す方法を提供することが必要である。

「死なないで」という言葉は実は逆効果であり、周囲はただ寄り添い支える姿勢を保つべきである。

「死にたい」と言う人に「死なないで」とは絶対に言わないで…子供たちからのSOSの“最前線”

24時間365日、誰でも無料・匿名で利用できるオンラインチャットの相談窓口を運営しているNPO法人『あなたのいばしょ』。

夏休み明けのこの時期には「久しぶりの学校が怖い」などといった子供たちからの相談が増える。『あなたのいばしょ』には1日千数百件の相談がチャットで寄せられ、中には思い詰めた相談者も多いという。理事長の大空幸星さんに話を聞いた。

小中高生の自殺者数は、2022年は過去最多、2023年はそれに次ぐ数で深刻な状況が続いている。

ーー”死にたい”というようなことを漏らす人がいたら、周囲はどのようにすべきか。サポートできることはある?

何かのアドバイスをする必要はありません。少しでも「生きたいな」と思う瞬間をいかに増やせるか、という方にぜひ考え方を変えてみてもらいたいのです。

ーー「時間が解決する」「生きていればいいことがある」そんな励ましをしてしまうかもしれない

その言葉を聞いて、悩みを抱えている人で「安心した」「共感した」という人はほとんどいないんじゃないかなと思いますね。その言葉自体が悪いというよりも、やっぱりその言葉が響かないくらいの状況に追いやられているのが「死にたい」という状況なんですよ。

ただ、絶対に言わないでほしいことは「死なないで」という言葉です。

自殺というのは、死にたいほど自分を思い詰めている人にとっての“出口のひとつ”なんです。だから「死なないで」という言葉がその最後の出口を奪うことがあるのです。

周りの方はすごく焦って心配になると思うし不安にもなると思うんですけど、死んでほしくないっていう気持ちを心の中にしまって、絶望の淵に追いやらずに、生きてもらえるための方法を考えなきゃいけない。

ゴールは”生きてもらうこと”ですから。ハッピーな数年後とかではなくて、30分後、40分後に一瞬でもいいから死にたいという思いが消えているかどうか。少しでも生きたいなと思う瞬間をいかに増やせるかという方にぜひ考えをちょっと変えてみてほしいです。

その上で、ただそばにいてあげる。そして本人に、明日でも、1年後でも、いつでも待ってるから話に来てくれたらいいと伝えることは全然悪いことではないです。