70歳の父が健康のために「ガムを噛むように」指導されたそうです。むしろ虫歯になってしまわないでしょうか…?
高齢者がガムをかむことで衰えを防ぐ効果や虫歯への影響について解説。
ガムをかむことで口内の機能向上やオーラルフレイルの予防効果がある。
シュガーレスガムを選ぶことで虫歯予防と口内の潤い保持が重要。
高齢になり身体や知能に衰えが出始める頃、ガムをかむと衰えを防げるともいわれることもあるようです。しかし、ガムをかむことで歯に悪影響を与えて虫歯にならないか、心配な方もいるでしょう。
本記事では、ガムをかむことで得られる効果と、歯に与える影響を詳しく解説します。ガムにかかる1ヶ月あたりの費用と、虫歯になった場合にかかる費用も解説するためぜひ参考にしてください。
株式会社ロッテと東京大学高齢社会総合研究機構による共同研究によると、65歳以上の高齢者がガムをかむことで、さまざまな機能に効果があると分かりました。
ガムをかむ習慣がある方とガムをかまない方の能力差をみていきましょう。表1の結果は1474名の自立高齢者(65歳以上)に対して実施されたテストです。
出典:株式会社ロッテ・東京大学高齢社会総合研究機構「ガムを噛む高齢者に関する調査」を基に筆者作成
オーラルフレイルとは軽微な口内の衰えを意味し、口内が衰えると以下のような症状が発症します。
・固い食べ物がかめない
・むせる、食べこぼす
・口の中が渇く
・口の臭いが気になる
・滑舌が悪い
・自分の歯が少ない
このような症状があらわれると、オーラルフレイルが進行しているおそれがあるようです。調べによるとオーラルフレイルは、ガムをかまない人ほど進行しやすいといわれているようです。
身体機能や認知機能試験においても、ガムをかむ習慣がある人の方が高い結果が出ています。口の筋肉は体の筋肉と同じように、使わないと衰えてしまいます。
食事をとる際によくかむことも必要ですが、ガムをかむことで口内を鍛えるのもいいでしょう。
ガムをかむと唾液が出やすくなるため虫歯予防にも効果的ですが、砂糖が多いガムの場合、虫歯になりやすいため注意が必要です。ガムをかむ際は、砂糖が含まれていないシュガーレスガムを選びましょう。
口内の渇きは虫歯や口臭の原因となるため、ガムをかんで潤いを維持しましょう。