「こんな娘に育って親がかわいそう」医学生がHPVワクチンについて発信して直面した誹謗中傷

AI要約

医学生カノンがHPVワクチンについて発信をしているが、賛否両論の声がある

活動の背景や誤解を解消するための取り組みを説明

中島花音さんが学生団体Vcanを立ち上げ、HPVワクチンの啓発活動を続けている

キャッチアップ世代として自身の経験を共有

医学生としてHPVワクチンの効果と安全性について調査し、接種を決断

「こんな娘に育って親がかわいそう」医学生がHPVワクチンについて発信して直面した誹謗中傷

「“医学生カノン”というアカウントで、Xで発信をしています。医学生がHPVワクチンについてポストしているのは珍しいのか、たくさんの方が応援してくださっています。その一方で、『大嘘つき』『騙されるな』といったコメントやDMで『責任が取れるのか』『(こういった活動をする)こんな娘に育って親がかわいそう』といった心無い言葉をかけられたこともありました。活動を始めた当初は、頭では“傷つかなくていい”とわかっていても、ショックを受け、落ち込むこともありました。

よく、『ワクチン推奨派のくせして』と言われることがあるのですが、それは大きな誤解です。私たちは『ワクチンを接種しましょう』と言っているのではなく、そもそも予防する手段があっても、HPVワクチンを接種できる当事者たちが知らないことが課題だと思い発信しています。しっかりと考えた上で接種しないのであれば、その選択を応援します。知った上で『接種しない』のと知らないまま『接種しない』では、同じ『接種しない』でも違うと思うからです。ですが現状では、そういったHPVワクチンの医学的根拠に基づいて『考える』機会を当事者が持たされていません。そこをなんとかしたい、というのが活動の背景なのです」

こう話すのは、『学生団体Vcan』と言う団体を仲間と立ち上げ、子宮頸がんを予防するHPVワクチン接種について、啓発活動を続ける医学生の中島花音さんだ。ひどい誹謗中傷にあっても活動を続ける思いと、9月末に期限が迫るキャッチアップ接種について中島さん自身に前後編で執筆いただいた

私自身、副反応報道などの影響で自治体などからお知らせが止まってしまい、HPVワクチンを打ち逃した「キャッチアップ世代」(平成9年4月2日から平成20年4月1日生の女性)です。

高校1年の時にHPVワクチンを接種するかどうか親と少し話し合いましたが、あまり深く考えもせず、当時発信されていたメディアの報道を鵜呑みにして「なんとなく」接種しませんでした。その後、医学部に入ってから、産婦人科の先生が「自分の子どもには打たせる」という話を聞き、そこで初めて「じぶんごと」として捉えるようになりました。

ですが、実際に「HPVワクチン」とネットで調べてみると、様々な情報があり、どの情報が正しくて、どれを信じたら良いかわからず困惑しました。ただ、医学生だったということもあり、情報を探しているうちに、医学的にこのワクチンは高い効果があり、他のワクチンと同様、安全性が証明されていることがわかり、接種を決断しました。