離職後、定年後は何をしたい? 第2位「まだ考えていない」…では第1位は?

AI要約
FIRE(経済的自立と早期リタイア)とは自由な生き方への憧れが高まる一方、60代以上のビジネスパーソンの多くが働くことを望んでいることが調査で明らかになった。定年後の希望も様々で、スキルを生かして新たな仕事に挑戦する人やのんびり生活を送りたい人などバリエーションがある。定年後の希望には同じ業種で働き続ける人が多く、日本人の働き者精神がうかがえる。しかし、家族や趣味との時間を大切にしたい人も存在し、様々なライフスタイルがある。60代以上の人々は体力や社会とのつながりを保ちながら働くことを望んでおり、多様なライフプランが示唆される。
離職後、定年後は何をしたい? 第2位「まだ考えていない」…では第1位は?

 FIRE(経済的自立と早期リタイア)という言葉をよく聞くようになった。今の職場に縛られず、自由に生きたいと心の奥で願っている人は少なくないはずだ。

 その一方で、株式会社日本能率協会マネジメントセンター(東京・中央区)が5月に50代以上のビジネスパーソン756人にインターネットで行った「仕事やキャリアに関するアンケート調査」によると、年齢が上がるほど離職したいと思う人は減少し、60歳以上は9割弱が「働けるだけ働きたい」「65歳まで働きたい」と回答したという。60代はまだ仕事をするのに十分な体力があり、社会とのつながりを求めているのだろう。

 では、離職後、定年後は何をしたいか(複数回答)というと、5位は「スキルを生かして、まったく別の仕事に携わりたい」。今の会社ではもう十分働いた、新しいことをやってみたい、とは前向きで意欲的。頼もしい。

 4位は「もう仕事はしたくない」。十分働いたし、貯金もあるのでのんびりしたいということか。

 3位は「家族との時間や趣味の時間を過ごしたい」。これも「もう仕事はしたくない」派なのだろう。仕事だけの人生に懐疑的で、第二の人生は願わくば大好きな家族や趣味のために時間を割いて、人生を充実させたいというわけだ。

 2位は「まだ考えていない」。定年後を現実的に考えられない50代前半の人の回答だろうか。

 そして1位は「スキルを生かして、同業や同じような仕事に携わりたい」。これまで積み上げてきたスキルに自信と誇りを持っているなら、同じような仕事を続けたい、と考えるのは自然なことではある。しかし、いったん離職後、定年後も同じような仕事で働き続けたいというこの回答が1位とは、日本人はどこまで働き者なのか──。