先入観が覆された…ゲートボール場で耳にした、おばあちゃんたちの「衝撃の会話内容」

AI要約

人の悩みの過半数は「人間関係にまつわる悩み」だといわれる。年齢を経るにつれ、その悩みは変化していく。定年後も人間関係は重要であり、老後の人間関係を豊かにするための4つの原則がある。

定年後も人生は続き、人間関係も続く。定年後の生活を考える際には人間関係のデザインを含めることが重要である。

人間関係が良好であれば、定年後でも楽しい暮らしを送ることができる。知識に縛られずに柔軟な思考が重要である。

先入観が覆された…ゲートボール場で耳にした、おばあちゃんたちの「衝撃の会話内容」

人の悩みの過半数は「人間関係にまつわる悩み」だとよくいわれる。そして年齢を経るにつれ、その悩みは変化していくことが多い。定年後となればなおさらだ。

日々を機嫌よく過ごすためのコトバが注目され、SNSのフォロワーは10万人を突破。このたび、新刊『60歳からの人生デザイン』を上梓した秋田道夫氏が、老後の人間関係を豊かにするための4大原則を語る。

*本記事は秋田道夫『60歳からの人生デザイン』から抜粋・再編集したものです。

最初に、ちょっとショッキングな話をさせてください。わたしが中学生の頃、自宅近所のゲートボール場で見た光景についてです。新しくできたそのゲートボール場では、年配の人たちが定期的に集まり、プレーに興じていました。

みなで地面を平らにしてから、順番にスティックでボールを打つのです。それはにぎやかなもので、そばの道を通りかかるだけで会話がよく聞こえてきたものです。

ここまでの描写だと、「微笑ましい光景」に映るでしょう。しかし残念ながらそうではなかったのです。実は「おじいちゃんたち」が「おばあちゃんたち」に、かなり「ボロクソ」な物言いをされていたのです。

基本的に「夫婦単位」で参加されている人が多かったでしょうから、その力関係は「家庭内での力関係」と相似形だったと察します。

その時、中学生だったわたしは思いました。

ここでボロクソに言われないためには「ゲートボールがうまくなる」かあらかじめ「人間関係を滑らかにしておく」か。道は2つしかないのだと。

もっともわたしは第三者ですから、内情は知る由もありません。しかし、この気づきはその後のわたしに大きな影響を与えてくれました。

「定年後」も人生は続きます。(この「定年後」という言葉は「退職後」「引退後」など、あなたの境遇に置き換えて読んでください)

もちろん、人間関係も続いていくのです。

定年後の「生活」を考えている人は多いものです。しかし、そこに“人間関係のデザイン”まで含めている人は意外と少ないようにお見受けします。

配偶者(家族)がいる場合、接触時間はおのずと長くなります。油断をすると「役に立たない人」と見られる可能性はゼロではありません。オブラートに包まず言うと「役に立たないおじいちゃん(おばあちゃん)」と、外でも扱われるリスクが潜んでいるのです。

もしあなたが、まだ「定年前」なら。職場以外の人間関係を整えたり、広げたり、深めたりされるよう、おすすめしたいと思います。

もしあなたがすでに「定年後」でも安心してください。今からできることをしていきましょう。人間関係においては(よほどの場合をのぞいて)、何歳からでもリカバリーがききます。

「人見知りだから」「口下手だから」「面倒くさいから」「友人なんていないから」そんな方でも、大丈夫。新たな一歩を踏み出したくなるポイントをお話させていただきます。

“仕事からの卒業”はあっても“人間関係からの卒業”は生きている限りありません。何歳になっても「人との絆を紡いでいく」という意識は大事です。

「定年」にまつわる外山滋比古さんの言葉をご紹介しておきますね。読み手にとって、多義的な受け取り方や解釈ができる、重層的なフレーズだと思います。

──知識が思考の邪魔をする。これはやはり真実である。

定年後の人生を面白くするためにも、知識に縛られない思考が大切になるのだと思う。

(出典『お金の整理学』外山滋比古著/小学館新書)