早く仕事を辞めたいので「サイドFIRE」を目指しています。どれくらい蓄えがあれば大丈夫ですか? 20年後を目安にしています。

AI要約

FIREとは、経済的自立と早期退職を目指す考え方で、資産運用による収益で生活費をまかなうことを目指す。

サイドFIREは完全な退職ではなく、副業と資産運用による収益で生活を送る考え方であり、社会とのつながりが生きがいを生む。

25倍の年間支出を準備し、4%ルールに基づいて運用を行うことで、サイドFIREを実行しやすく資産枯渇のリスクを軽減できる。

早く仕事を辞めたいので「サイドFIRE」を目指しています。どれくらい蓄えがあれば大丈夫ですか? 20年後を目安にしています。

サイドFIREを実現して、早くから仕事の量を調整し、好きなことをできるようにしたいと考えている人は多いでしょう。しかし、実際にどのくらいの資産を用意すればよいのか分からない人もいます。そこで本記事では、FIREとサイドFIREの概要を紹介するとともに、サイドFIREを実行するためにどのくらいの資産が必要なのかを紹介します。

FIREとは、経済的自立と早期退職の2つの言葉をあわせて作られた言葉です。アメリカが発祥の考え方で、リタイア後の生活費をまかなえるよう若いうちから資産を形成し、早期退職をして資産運用による収益を取得しながら経済的自立を目指す生き方を指します。

単なる早期退職は、リタイア後に貯金を切り崩して生活費をねん出しながら暮らしていくものでしたが、FIREは何らかのトラブルがあっても老後の資金が枯渇しないよう、資産運用をしてお金を増やしながら生活を送るものです。

多額の遺産を相続するなど膨大な蓄えが必要な早期退職と比べて、FIREはマイホームや車、ブランド品などにあまり興味がなく、お金を消費する習慣があまりない人であれば数億単位の資産がなくとも実現できるでしょう。

完全に退職(リタイア)するFIREではなく、サイドFIREと呼ばれる考え方もあります。サイドFIREの場合は、完全に仕事を辞めるのではなく、副業といった勤労収入と資産運用による収益をあわせて生活を送ります。副業の内容は、自分の好きなことやスキルを生かせるものであれば無理なく働けるでしょう。

FIREは社会とのつながりが薄れがちですが、サイドFIREは副業を続けていくため、社会とのつながりがあることで生きがいを感じられたり、新しい人間関係をひろげられたりと、FIREにはない魅力があります。

サイドFIREをしたいと考えたとき、気になるのがどのくらい資産を確保しておけばよいかという点です。一般的には、サイドFIREを目指すなら年間支出の25倍の資産を形成しておくとよいといわれています。25年分では仮に35歳でサイドFIREを実行したとき、60歳で資産が枯渇してしまうのではと考えがちです。

しかし、サイドFIREは単に貯蓄を消費しながら暮らすのではなく、資産を運用するとともに副業による収入も得ながら暮らしていくため、資産が枯渇しない仕組みといえます。

例えば、年間支出が240万、毎月の支出が20万円で、副業による収入が毎月8万円ある場合、資産運用によりまかなう必要のある毎月の金額は12万円です。

必要な年間の運用益は144万円となり、25年間分では3600万円のため、3600万円あればサイドFIREの資産目標を達成することになります。単なるFIREの場合は6000万円必要ですが、サイドFIREで副収入を得る予定であれば、3600万円と2400万円も少ない金額で実行できるのです。

■年間支出の25倍の根拠は4%ルールにある

年間支出の25倍の資産があればよいという根拠は、4%ルールにあります。4%ルールとは、年間支出額を資産の4%以内に収める方法を指しています。4%の数値の根拠は、米国株式の1945~2020年までの年平均成長率である7%から、同じ期間の平均物価上昇率3%を引いた数字が4%となるためです。

長期的に資産運用を行い、年間の支出を4%以内に抑えていれば、資産が枯渇する可能性は低いという考え方です。

サイドFIREを実行するなら、資産は年間支出額の25倍ほど準備しましょう。年間支出の25倍の資産を用意し運用を続けていけば、資産が枯渇するリスクが軽減します。

加えて副収入があれば、準備する資産の金額が大幅に減るため、サイドFIREを目指しやすくなるでしょう。早くにサイドFIREを実行したい場合は、副業で得られる収入額を増やすのがおすすめです。サイドFIRE後も無理なく仕事を続けていれば社会とのつながりがなくならないうえに、仕事にも生きがいを感じられ、生き生きと過ごせるでしょう。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー