86歳・田村セツコ「午前3時頃、突然さみしくてたまらなくなったりする。そんなときにぜひ考えてほしいのは…」

AI要約

田村セツコさんが語る<孤独論>を紹介。午前3時にさみしさを感じることや孤独との向き合い方を述べる。

孤独から逃れることはできず、孤独と仲良くなることが大切だと述べる。

さみしさや孤独は誰にでも訪れるものであり、それを受け入れ強くなるトレーニングだと説く。

86歳・田村セツコ「午前3時頃、突然さみしくてたまらなくなったりする。そんなときにぜひ考えてほしいのは…」

総務省統計局が行った「令和2年 国勢調査」によると、単独世帯の割合が最も高かったのは、男性は25~34歳、女性は75~84歳だったそうです。そのようななか、86歳で現役イラストレーターとして活躍する田村セツコさんは「孤独って、いやだと思うとどこまでもいやだけど、素敵って思うと素敵に思える不思議なもの」と語ります。今回は、田村さんの著書『[ミラクル新書版]孤独ぎらいのひとり好き』から、幸せになるための<孤独論>を一部ご紹介します。

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◆さみしくてたまらない午前3時には

突然、孤独が押し寄せてきたら、「これが昔から言われている孤独っていうものか」って、とりあえず受け止めてみるの。

さみしくてたまらない、誰かがそばにいてほしい。

夜が明けるちょっと前の午前3時頃に、そういう気分になるときってあるんですよね。

だけどまあ、わたしくらいの年になったら、けっこうすれっからしだから、そういうときって、どういうふうに考えるかっていうと、「こういう気分って、自分ひとりじゃないと思うわ。世界中にいっぱいいる」と考えるわけ。

「こういう気分の人って、家の近所にいるだろうし、東京にいっぱいいるだろうし、日本にいっぱいいるだろうし、世界にいっぱいいるだろう」「わたしひとりじゃないわ」って納得するんです。

◆誰にでも「午前3時」はある

誰にでも“午前3時”はありますと、『赤毛のアン』の作者のモンゴメリも言っているそうです。

そうすると、そういう孤独を感じている未知の人たちが、みんな友達みたいな感じになる。

「ああそうだ、もうひとりじゃないからね」ということがわかる。

孤独を感じないっていう人はいないから、孤独を認めて「いやあ、孤独はいつも感じてますよ」って言ったら、すごくお洒落な感じね。カッコイイんじゃない?

◆さみしさは突然やってくる

いつどんなときにさみしい気持ちが訪れるのかってことはわからない。計り知れないわけです。

予定していないときにふっとさみしくなったり、賑やかなパーティーの最中にそうなったり、電車に乗ってるときとか、それから人と会ってるときだってふいにさみしい気持ちになりますよね。

ちょっとホッとしたときに、突然、さみしくなります。

さみしいから誰かに「わたしさみしいから、相手になってお話しして」なんて言わないですよね。

相手にも負担になるし、さみしさを全開にしている人に人は寄っていかないですね。

さみしさに耐えられるように自分でトレーニングするしかないんです。

さみしさとか孤独感っていうのは、自分を強くしなやかにするためのトレーニングです。

すごくさみしいときって、ああ、こういう経験をしてだんだんしなやかに強くなれるのかもしれないって、こういうふうに思うわけ。

◆孤独と仲よくなる

孤独からは逃れられないんですよね、孤独を嫌いだと思って逃げたりするといつまでもくっついてくる。もっともっと孤独になっちゃう。

だから孤独なときっていうのは、この孤独を撲滅しようって思うよりは、孤独に寄り添って生きていこうとするのが正しい。

ちょっと言い過ぎかもしれないけど、孤独と仲よくなるっていうこと。

仲よくするっていうのはね、生きていく上でとてもいい考え方ですよ。

※本稿は、『[ミラクル新書版]孤独ぎらいのひとり好き』(興陽館)の一部を再編集したものです。