和田秀樹 医者や偉い人の言うことをむやみに信じる<言いなり脳>のリスクとは?「脳を老化させないために、あらゆることを疑ってみる」

AI要約

平均睡眠時間は6時間以上7時間未満が最も多い。医療の常識に疑問を持つ精神科医・和田秀樹先生の考えを紹介。

医者や一般常識を盲信することのリスクについて警鐘。正しい情報を自ら判断する重要性を強調。

同調圧力の中で自ら判断することの重要性を指摘。信じ込まずに疑問を持つことで脳の活性化を促す。

和田秀樹 医者や偉い人の言うことをむやみに信じる<言いなり脳>のリスクとは?「脳を老化させないために、あらゆることを疑ってみる」

厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査」によると、1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満の割合が最も高かったそう。そのようななか、「一般的な傾向はあくまでも<ヒント>であって、誰にとっても正しい<答え>ではない」と語るのは、高齢者医療の現場に長年携わる精神科医・和田秀樹先生です。そこで今回は、和田先生の新著『60歳からの脳と体が若返るワークブック 最高の健康法が見つかる108実験』から、自分に合う健康法を見つけるための実験を一部ご紹介します。

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◆世の中に完全に正しいことなどない

「医者」や「偉い人」の言うことや、「みんな」が言っていることをむやみに信じ込む人は多いようですが、世の中に完全に正しいことなどないと私は思っています。

一見、正しいように思えることでも、少し違う角度から見るだけでまったく話が違ってくることだってたくさんありますし、メリットばかりが叫ばれることにも必ずデメリットはあります。

特に医療の世界で多いのは、それが間違っているという証拠がいくつも出ているにもかかわらず、かつての「常識」がいまだにまかり通っているケースです。

◆ウソの「常識」を信じるリスク

ウソの常識を信じれば、当然不利益を被る可能性があります。

たとえば、日本人の女性の場合は、コレステロール値を下げることにほとんどメリットがないことはきちんと勉強している医者なら当然知っていることですが、いまだに無理に下げさせようとする医者もいます。

そんなバカな医者の言いなりになって肉を制限してしまったりすると、食の楽しみが奪われるのみならず、タンパク質やコレステロール不足にも陥って体に悪影響を与えかねません。

◆「言いなり脳」を打破する

日本は同調圧力が強い国ですが、そのせいか、自分で考えたり、自分で判断したりすることが苦手、というより、そもそもそれを放棄している人がたくさんいます。

それが、なんでもかんでも信じ込んでしまう大きな原因になっているのかもしれません。

実は、そういう態度でいる限り、脳の前頭葉はほとんど使われません。

つまり、素直になんでも信じ込む「言いなり脳」は、脳を激しく老化させるのです。

だからこそ、「この人の言っていることは本当なのか?」と、あらゆることを疑ってみる実験が必要です。