和田秀樹流<ベストな睡眠時間>の見つけ方。8時間眠れば誰でも元気になる…わけではない?「目覚め方と昼寝の時間には個人差が」

AI要約

睡眠時間の個人差を考慮した健康法の重要性について

適切な睡眠時間や昼寝の長さを実験を通じて見つける方法

自分に合った睡眠スタイルを見つけるための試行錯誤の重要性

和田秀樹流<ベストな睡眠時間>の見つけ方。8時間眠れば誰でも元気になる…わけではない?「目覚め方と昼寝の時間には個人差が」

厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査」によると、1日の平均睡眠時間は6時間以上7時間未満の割合が最も高かったそう。そのようななか、「一般的な傾向はあくまでも<ヒント>であって、誰にとっても正しい<答え>ではない」と語るのは、高齢者医療の現場に長年携わる精神科医・和田秀樹先生です。そこで今回は、和田先生の新著『60歳からの脳と体が若返るワークブック 最高の健康法が見つかる108実験』から、自分に合う健康法を見つけるための実験を一部ご紹介します。

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◆いろんな睡眠時間で眠ってみる

世の中の人たちの平均的な睡眠時間は8時間程度と言われていますが、体格や体質だけでなく、日中の活動レベルも内容もみな違うのですから、体のメンテナンスに要する睡眠時間は人によって異なるのが当たり前です。

6時間くらいでちょうどいい人が、無理に8時間寝ようとするとストレスになるし、時間の無駄だと言うこともできます。

そこで、5~9時間くらいの間の睡眠時間を試してみて、どの睡眠時間のときが最もスッキリ起きられて、一日を快適に過ごせるかを比較してみる実験をしてみてください。

◆5時間以下もダメというわけではない

もちろん5時間以下は絶対にダメだというわけではなく、日中強い眠気が襲ってきたり、ひどい疲労感に悩まされたりしなければ問題はありません。

若い人に比べて活動量が少ないシニアの場合、4~5時間睡眠のときが最も元気に過ごせるという方はけっこういます。

また、機械的な目覚まし時計の音がいいのか、音楽がいいのか、光で起こしてくれるタイプがいいのか、あるいは自然に起きるのかなど、最もストレスなく、スッキリ起きられる「目覚め方」もいろいろ試してみるとよいでしょう。

◆昼寝の時間もいろいろ試してみる

健康によいと言われることが多くなった昼寝も、どれくらいの時間がベストなのかは人によって違います。

一般的にスッキリ目覚めやすく夜の睡眠に影響を与えないのは15~20分以内だとされていますが、これにも当然個人差があります。

だから、10分、20分、40分、1時間など、いろいろと時間を変えてみて、自分の体にどういう変化が起こるかの実験が必要です。

また、横にならずに机に伏せて寝る程度がよいと言われることが多いようですが、ベッドに寝る、ソファに座ったまま目をつぶるなど、ほかの寝方もぜひ試してみてください。

◆どの時間もどの寝方もしっくりこなければ…

結果として、どの時間もどの寝方もどうにもしっくりこないのだとしたら、あなたにとっては昼寝そのものが不要なのかもしれません。

ちなみに、さまざまな試行錯誤の末に見つけた私にとってのベストは、「昼食のあと、午後1時頃からベッドに入って1時間ほど寝る昼寝」です。

こんなふうに一般的には「非常識」に見えるスタイルが自分にとってはベスト、ということもあり得るのでしょう。

※本稿は、『60歳からの脳と体が若返るワークブック 最高の健康法が見つかる108実験』(扶桑社)の一部を再編集したものです。