がんによる死亡の50%は生活習慣の改善で防げる可能性!今すぐやめるべきことは?米国がん協会が警鐘

AI要約

がんのリスクを減らすためには、健康的な生活習慣を続けることが重要である。喫煙や体重過多、身体活動の不足、紫外線などががんリスクの主な要因とされる。最新研究によると、生活習慣の改善で死亡の50%、がん症例の40%が予防可能であることが明らかになっている。

喫煙は最も深刻な影響を与えるリスク要因であり、がん全体の20%の原因となっている。アルコール摂取もがんと関連性が高く、がんによる死亡の約6%に関連している。健康的な体重の維持や運動、健康的な食事選択、がん検診の受診もがんリスクを減らすための大切な要素である。

個人および社会的な行動ががん予防に重要であると示す研究結果が示されている。がん予防のためには、タバコやアルコールの摂取を控えること、健康的な食事と運動習慣を身につけることが必要である。

がんによる死亡の50%は生活習慣の改善で防げる可能性!今すぐやめるべきことは?米国がん協会が警鐘

がんのリスクは、普段の生活行動や選択を見直すことで減らせることが改めて明らかになった。

米国がん協会が、2024年7月11日発売の学術誌『CA: A Cancer Journal for Clinicians』に発表した最新研究によると、がんによる死亡の50%、また、がん症例の40%が生活習慣の改善で防げた可能性があることが明らかになった。この研究は、30種類のがんについて成人を対象に、回避することが可能なリスク要因の影響を評価したものである。研究チームは、全米のがんの発生率や死亡率、およびリスク要因の有病率に関するデータを分析した。喫煙、飲酒、身体活動の欠如、体重過多、食事選択、紫外線、および特定のウイルス感染が主なリスク要因として挙げられた。

先日、アメリカの朝の情報番組「CBSモーニングス」に出演した首席医療特派員のジョン・ラプーク医師は、「がんはとにかく恐ろしいもので遺伝的なものだと思われがちだが、実際には未然に防ぐためにできることはたくさんあります」と述べた。中でも、がんリスクの第一位である“喫煙”をやめることが重要だと断言した。

■がんの主なリスク要因

喫煙:最も深刻な影響を与えるリスク要因であり、喫煙は、がん全体の20%の原因となり、がんによる死亡の約30%に関与している。

体重過多:体重過多は、がん全体の7%の原因となり、がんによる死亡の約10%に関与している。

身体活動の欠如:運動不足は、がん全体の3%の原因となり、がんによる死亡の約5%に関与している。

紫外線:紫外線による影響は、がん全体の8%の原因となり、がんによる死亡の約5%に関与している。

今回の研究のリード著者である米国がん協会のファルハド・イスラミ博士は、「今回の研究は、がん予防のための個人および社会的な行動の重要性を再確認し、強調するものです」と述べた。

■がん予防のために今すぐ始めるべきこと

研究に基づき、以下のような生活習慣を改善することで、がんのリスクを減らすことができる。喫煙を避け、健康的な食生活を送り、定期的に運動を行い、適切な体重を維持することががんリスクを減らすことに繋がる。

タバコをやめる:喫煙は最も深刻な影響を与えるリスク要因であり、禁煙は健康的なライフスタイルへの第一歩となる。

健康な体重を維持する:体重管理のために食事制限や運動の組み合わせがオススメだ。

健康的な食事を選ぶ:抗酸化物質を豊富に含む食事(ベリー類、ナッツ、果物、野菜、オリーブ、地中海食)ががんリスクを減らすとされている。超加工食品の摂取はリスクを増加させ、特に消化器系および乳がんのリスクが高まる。

アルコール摂取を控える:あまり認識していない人も多いが、アルコールとがんの関連性は高めで、がん症例の4%、がんによる死亡の約6%に関連している。

がん検診を受ける:がん検診は予防および早期発見・治療の機会になり、治療がより効果的で負担が少なるケースも少なくない。新しい早期がん検出法も開発されている。

出典:

Half of cancer deaths could have been prevented through lifestyle changes, says American Cancer Society reportAlmost half of cancer deaths in U.S. adults could be prevented, new study finds. A doctor explains how.Nearly half of US adult cancer deaths could be prevented by lifestyle changes, study finds

文/山口華恵