本やスーツに使ったお金が戻ってくる!?…該当する会社員は“超ラッキー”な節税テク「特定支出控除」とは【税理士・公認会計士が伝授】

AI要約

特定支出控除について、給与から差し引くことができる仕事に必要な費用について詳しく解説しています。

特定支出の適用条件や計算方法、特定支出に該当するものなどが具体的に紹介されています。

サラリーマンが使いやすい特定支出の項目についても触れられており、資格取得費や勤務必要経費が取り上げられています。

本やスーツに使ったお金が戻ってくる!?…該当する会社員は“超ラッキー”な節税テク「特定支出控除」とは【税理士・公認会計士が伝授】

仕事に必要不可欠なスーツや資格取得のための本が「すべて自腹」であるという現実……どうにか経費にならないか? と考えたことのある人も少なくないでしょう。そこで今回、仕事のために購入したスーツや本を「特定支出」として給与から差し引く「特定支出控除」について、税理士法人グランサーズの共同代表で税理士・公認会計士の黒瀧泰介氏が詳しく解説します。

――会社員のなかには、自己研鑽に励むために本を読んだり、資格取得を積極的に行う人もたくさんいますよね。こうした書籍代や資格取得代って決して少なくないお金だと思うんですが、これを経費にすることはできないんですかね?

黒瀧氏(以下、黒)「そうですね。方法はあります。仕事に関する費用を数十万円単位で負担している場合、『特定支出控除』という形で給与から差し引ける場合があります」

――サラリーマンの節税策って少ないので、ちょっとでも控除できたら嬉しいですよね。

黒「はい。今回はそんな特定支出控除について、適用条件や計算方法についてわかりやすく解説していきます」

黒「『特定支出控除』とは簡単にいうと、サラリーマンなどの給与所得者が業務上自腹で払った支出を特定支出として経費扱いにしてくれて、支払った費用の一部について控除を受けられるというものです」

――“一部について”ということは、全額を経費にできるわけではないんですね。

黒「そうなんです。ざっくりいうと、特定支出の合計額のうち、給与所得控除額の2分の1を超える部分の金額に関しては特定支出控除を受けることができます」

――では、具体的にどんなものが特定支出として認められるのでしょうか?

黒「特定支出に該当するものは、以下の6つです」

1.通勤費

2.転居費

3.研修費

4.資格取得費

5.帰宅旅費

6.勤務必要経費(図書費・衣服費・交際費)

――結構あるように見えますが、通勤費とかって会社が負担してくれることが多いですよね。その場合も使えるんですか?

黒「残念ながら、それはできません。通勤費については会社から『非課税の手当』を受け取っていることになるため、特定支出には含まれません。

たとえば、会社に車で通勤していて、ガソリン代を自腹で払っていたとしても、会社から通勤手当として支給されているのであれば、その金額は特定支出控除には含めません」

――なるほど。そうすると特定支出に該当する項目のうち、使いやすいものは限られてきそうですね。

黒「そうなんです。サラリーマンが使いやすいのは、4.資格取得費と、6.勤務必要経費になるでしょう。次でそれぞれ詳しくみていきます」