スマホの解約、ペットの世話…一人暮らしの自分に「万一」があった場合の「対処法」【プロが解説】

AI要約

一人暮らしで親族がいない場合、死後の手続きや財産の処分について考える必要があります。

死後事務委任契約を利用することで、万一の際に必要な手続きを事前に依頼し安心できます。

財産の処分や相続に関する手続きは、専門家に相談し依頼することが重要です。

スマホの解約、ペットの世話…一人暮らしの自分に「万一」があった場合の「対処法」【プロが解説】

もしも相続が起こったら、この場合はどうしたらいいのだろう?

実際のところ、相続のときに初めて気づく問題や疑問はいろいろあります。家族の状況や遺産の状態によって、思わぬトラブルになることも。最近の相続で、よく起こりがちな疑問や心配事に対し、『知って安心!不動産の相続 2024年版』を監修したランドマーク税理士法人の認定相続マイスター・渡邉雅裕さんが対処法を指南する。

Q.一人暮らしで親族がいない場合死後の手続きや財産の処分は?

A.万一の際の手続きは自治体や専門家に委任する手も

高齢の夫婦世帯や一人暮らしの世帯が増えています。夫婦で暮らしていても、どちらかに先立たれると一人暮らしになるため、「自分が万一のときはどうなるのか」と不安になる人もいるでしょう。

子どもなどの相続人がいれば、通常はその相続人が万一の際には公的な届けや相続の手続きを行います。しかし、相続人が遠く離れた甥・姪など、ふだんから交流のない親族の場合は、その世話になりたくないと考える人もいます。

そのような場合は、万一のときに必要な手続きを事前に依頼しておく「死後事務委任契約」を利用する方法もあります。

「死亡届の提出や年金・健康保険の脱退など役所への各種届け出のほか、親族や知人への連絡、電気・ガス、スマホなどの解約といった生活インフラの停止、ペットの世話なども契約で定めることができます」と渡邉雅裕さん。

最近は市町村の役所などで、こうした手続きを生前に依頼し、登録できる自治体も出てきましたが、信頼できる友人・知人などに依頼するほか、専門家やNPO法人などで、契約を請け負うケースもあります。ただし、委任内容に応じて、事前に一定費用を納めるなど、契約方法はさまざまなので、慎重に調べて検討するといいでしょう。

一方、死後事務委任契約では、財産の処分や相続に関係する手続きは指定できません。

「万一の際に残る財産をどうしてほしいかは、司法書士などの専門家に相談し依頼するといいでしょう。遺言者の作成や高齢期のための任意後見まで、ワンストップで対応している専門家もいます」(渡邉さん)

一人暮らしで身近に頼れる人いない場合は、死後の手続きと財産の処分は2つに分けて、それぞれで対策を立てておくと安心です。

【つづきを読む】『親の財産が「ほぼ自宅だけ」だと、意外とモメがち…子どもたちで「実家」をどう分ければいいのか』