相続の手続きをしたいけど…「税理士、弁護士、司法書士…」結局、誰が何をやってくれるのか?【プロが解説】

AI要約

相続の際には専門家の助けを借りる必要があり、税理士、弁護士、司法書士などが対応範囲が異なる

専門家に依頼できない手続きもあり、相続人本人が必要な際もある

適切な専門家を選ぶ際には、グループ内に複数の有資格者を抱えている所に依頼すれば、効率的に対応できる

相続の手続きをしたいけど…「税理士、弁護士、司法書士…」結局、誰が何をやってくれるのか?【プロが解説】

もしも相続が起こったら、この場合はどうしたらいいのだろう?

実際のところ、相続のときに初めて気づく問題や疑問はいろいろあります。家族の状況や遺産の状態によって、思わぬトラブルになることも。最近の相続で、よく起こりがちな疑問や心配事に対し、『知って安心!不動産の相続 2024年版』を監修したランドマーク税理士法人の松岡清隆税理士が対処法を指南する。

Q.相続関連の手続きはさまざま。どの専門家に何を任せられる?

A.税理士、弁護士、司法書士など専門家により対応範囲が異なる

相続に関する手続きは、生前だと遺言書の作成や相続対策、相続発生後は遺産分割協議書の作成や相続税の申告、相続登記など多岐にわたり、相続人だけでは対応しきれない場合もあります。

そんなときには専門家の助けを借りることになります。相続に伴う手続きには税理士、弁護士、司法書士、行政書士などの専門家が関わってきますが、「独占業務といって特定の士業しか対応できない業務と、独占業務ではない業務があります」(松岡税理士)。

例えば、相続税の申告等は税理士しかできない独占業務、相続人の代理人として相手と交渉し、裁判所に調停などの申し立てをするのは弁護士の独占業務です。

「不動産鑑定士による不動産の鑑定、土地家屋調査士による土地の分筆や合筆なども独占業務です」(松岡税理士)

一方、遺言書の作成は弁護士、司法書士、行政書士、税理士とも対応できますが、遺留分に配慮した遺言書を作成したいなら弁護士に優位性があるなど、何に重きを置いた遺言書を作成したいかでどの専門家を選ぶかは変わってきます。相続で困り事が出てくる度に最適な専門家を選ぶのは手間ですが、「税理士法人などグループ内に専門的な有資格者を抱えているところに依頼すれば、ワンストップで各種手続きに対応できます」(松岡税理士)。

専門家ではなく、相続人等にしかできない手続きも少ないながらあります。遺産分割協議書には相続人の実印を押し、相続人全員の印鑑証明書を添付する必要がありますが、印鑑証明書は本人でないと取得できません。

「相続税申告書に記すマイナンバーの番号確認や、身分確認書類としてマイナンバーカードの写しの添付なども本人にしかできないこと。相続により生命保険金を受け取る場合も、請求は受取人本人となります」(松岡税理士)

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