「ちょっと疲れた」「パートナーと喧嘩」「仕事がイヤ」で行ってもOK!誤解しがちな"カウンセリング"についてプロが解説

AI要約

カウンセリングは、うつ状態の人が受けるものと勘違いされがちであるが、日本人女性こそ心のケアをするべきであり、カウンセリングは気軽に受けられるべきである。

女性の方がうつにかかりやすい現実を知り、日本社会での女性のストレス要因やうつ病の背景について紹介されている。

悩みの内容には大小問わず、何でもカウンセリングで相談できる重要性が述べられており、カウンセラーの役割についても説明されている。

「ちょっと疲れた」「パートナーと喧嘩」「仕事がイヤ」で行ってもOK!誤解しがちな

カウンセリングは、“うつ状態の人が受けるもの”と勘違いされがち。海外では映画やドラマで観るように、カウンセリングを受ける敷居が低く、気軽に診察を受ける人が多いものの、日本ではまだまだ一般には浸透していないのが事実。しかし、うつになりやすいと言われている日本人女性こそ、エステやヘアサロンに行くような感覚で心のケアもするべき。

「最近仕事がうまくいってないな」「疲れがたまっているな」と思ったら、深刻に悩む前に、まずカウンセリングに行って“心のメンテナンス”をしてみては。

約13年間、臨床心理士としてのべ1000人以上のカウンセリングに関わり、500以上の企業でメンタルヘルス研修などを行ってきた枚田香先生(メンタルサイエンス研究所所長)に、日本人がカウンセリングに対して抱きがちな誤解や疑問を尋ねてみました。

現代社会の抱える大きな病として注目されている「うつ」。働き盛りの男性がかかるイメージが強いかもしれませんが、実際は女性の方がかかりやすいことを知っていましたか? 

国内にうつ病を含む気分障害の患者数は約112万人(厚生労働省平成26年「患者調査」)と、年々増え続けています。このうちの6割を女性が占めており、その数は男性の1.7倍です。特に働いている女性は、職場環境や人間関係に関する悩みに加え、日本社会に根強く残る性差別や、結婚、出産、キャリアのバランスという生き方そのものの悩み、身体的には生理痛やPMSなど、男性とは違った様々なストレスを抱えます。これらが積み重なることで、不眠から体調不良を起こしたり、何に対しても興味が湧かず、やる気が湧かず、楽しいと思っていたことも楽しめなくなったりするうつの症状が出てくることもあります。

酷くなると、会社にも行けなくなってキャリアが断たれたり、友人や家族、恋人との関係も悪化したりと、人生そのものに影響するケースも出てきます。

枚田先生:悩みの内容は小さいものから大きいものまで何でもOKです。

「少し疲れてるな」「上司とのやり取りでイライラした」「彼氏とうまくいっていない」など、普段ありがちに思える悩みやストレスにも、カウンセリングはおすすめです。普段、職場や人間関係でストレスを感じたら、お友達に相談したりしますよね。でも、お友達のアドバイスは、ときにお友達自身の価値観を押し付ける勝手な内容になったり、いつの間にかお友達の話にすり替わっていたり、ということが起こりがちです。

カウンセラーは心理のプロですから、カウンセラー自身の考えを押し付けるということは決してしないようトレーニングを積んでいます。ご本人に心地良く話していただき、心を整理してもらい、ご本人が方向性を見つける、そのお手伝いをします。カウンセラーは、ご本人が自分を振り返り、自分で人生を決めていくための“鏡”のような存在です。