「幸せの絶頂が一瞬で」1歳息子失う…飲酒運転の車にはねられる 母親「早く息子のそばに行きたいと考えた」

AI要約

30年ほど前、交通事故で幼い息子を失った母親が講演し、事故後の心境や経験を振り返りながら被害者支援の重要性を訴えた。

当時1歳4カ月だった息子が軽トラックにはねられ亡くなったことで、自責の念にかられる日々を送る中、同じような状況の人たちとの支え合いから前を向くきっかけを得た。

遺族同士のつながりを大切にし、被害者支援の充実を県全体で実現することの必要性を訴えた。

「幸せの絶頂が一瞬で」1歳息子失う…飲酒運転の車にはねられる 母親「早く息子のそばに行きたいと考えた」

30年ほど前の交通事故で当時1歳の息子を亡くした母親が長野市で講演し、「幸せの絶頂が一瞬にして奈落の底へ突き落とされた」と事故後の心境や経験を振り返りながら、被害者支援の充実を訴えた。

犯罪被害者遺族自助グループ「つむぐ」・大塚清美 世話人代表:

「幸せの絶頂でした。それが一瞬にして奈落の底へ突き落とされたような感覚。早く息子のそばに行きたい、どうしたら楽に天国に行けるのか、そんなことも考えた」

長野市で警察関係者などを前に講演した東御市の大塚清美さん(63)。

30年ほど前、事故で幼い息子を失った。

当時1歳4カ月だった長男の広登ちゃん。祖母におんぶされて道路を散歩していたところ、後方から来た軽トラックにはねられ、脳挫傷で亡くなった。

運転していたのは当時56歳の男。飲酒運転だった。

大塚さんはその場にいなかったが、子どもを守ることができず、自分自身を追い詰めていたと言う。

犯罪被害者遺族自助グループ「つむぐ」・大塚清美 世話人代表:

「公園などに行くと子ども連れの幸せそうな家族が目につく。買い物など最小限で何年もの間すごしました」

前を向くきっかけとなったのが、同じような境遇の人との出会い。事故から約7年後、「長野犯罪被害者支援センター」を通じて、事件・事故の被害者遺族とつながり、支え合ってきた。

2023年4月には県内初となる遺族らの自助グループ「つむぐ」を設立。大塚さんは世話人代表も務めている。

犯罪被害者遺族自助グループ「つむぐ」・大塚清美 世話人代表:

「遺族同士のつながりは前を向いて歩みを進める原動力になると思っています」

講演では、遺族への支援の必要性も訴えた。

県内では、55市町村で犯罪被害者支援の条例を制定しているが、大塚さんは「県全体で支援の態勢を整えてほしい」としている。

犯罪被害者遺族自助グループ「つむぐ」・大塚清美 世話人代表:

「こうした体験を聞く機会があったり、条例の制定を通じてどのような状況におかれているか、どんな支援が求められるとか、そういったところが広く周知されるといいかな」

(長野放送)