森村泰昌と桐竹勘十郎の「人間浄瑠璃」コンビ 福井で異色の展覧会

AI要約

美術家の森村泰昌と人形遣いの桐竹勘十郎が福井県の鯖江市で異色のコラボ美術展を開催する。

展示作品には、森村のセルフポートレートや勘十郎の人形遣い作品が含まれる。

会場では人形浄瑠璃のインスタレーションや曽根崎心中の公演が行われる。

森村泰昌と桐竹勘十郎の「人間浄瑠璃」コンビ 福井で異色の展覧会

美術作品の人物などに扮したセルフポートレートで著名な美術家、森村泰昌(73)が8月17日から福井県の鯖江市まなべの館で人形浄瑠璃文楽の人形遣い、桐竹勘十郎(71)と異色のコラボ美術展を開催する。

タイトルは「森村泰昌×桐竹勘十郎二人展 お手を拝借!! in SABAE」で、森村は「セルフ・ポートレイト/写楽 奴江戸兵衛としての私」(平成8年)など15点、勘十郎は自らが制作した「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」の観劇記念スタンプ原画(9年)など20点を展示する。

また、会場には名作「曽根崎心中」の人形浄瑠璃のワンシーンを再現したインスタレーションを展示するほか、大阪中之島美術館で令和4年に開催された、勘十郎が森村を遣う2人のコラボ作品「人間浄瑠璃」の映像を流し、そのときの道具を展示する。

森村によると、鯖江は江戸時代の劇作家、近松門左衛門の生誕の地とされる。今年は近松の没後300年で、大阪市のモリムラ@ミュージアムで令和3~4年に開催された二人展「お手を拝借!!」の鯖江開催を持ち掛けられたという。

9月1日には、子供から大人まで多くの人が人形浄瑠璃を楽しめるよう、森村が「曽根崎心中」をコンパクトに圧縮した床本「そねざきしんじゅうひらがながたり」を作り、それをもとにした公演も同市の誠照(じょうしょう)寺で行われる。

「美術展に新作はありませんが、しばらく出ていなかったものも出します。公演は新作。勘十郎さんの描く絵と僕の床本で絵本ができればいいなと思いながら、全編90分を超える曽根崎心中を15分でやりませんかと勘十郎さんと話をして実現しました」と森村。

展覧会は10月6日まで。(正木利和)