元祖地ビールの「サンクトガーレン」代表にインタビュー!他地域も巻き込みファンを開拓中

AI要約

サンクトガーレンは日本の地ビール解禁前から活動しているクラフトビールブルワリーで、岩本伸久さんがアメリカでビール造りを始めた経緯から始まる。

日本のビール規制についてアメリカの雑誌『TIME』が取り上げ、岩本伸久さんは「日本では禁止されているのでサンフランシスコでビール造りをしている日本人」として知られるようになる。

サンクトガーレンの会社名の由来やビール造りの場所に関する理由など、地ビールブルワリーとしての特徴が紹介される。

元祖地ビールの「サンクトガーレン」代表にインタビュー!他地域も巻き込みファンを開拓中

クラフトビール好きの間では、つとに有名なサンクトガーレン。ビールラベルに記された「Since March 1993」。日本の地ビール解禁前からアメリカでビール造りを始めた生粋のインディペンデントであり、自他共に認める“元祖地ビール”。神奈川県厚木市に本拠を構えて27年。日本のクラフトビールファンを地道に開拓しつづけている。代表の岩本伸久さんにインタビューした。

1990年代はじめ、日本は地ビール解禁前。アメリカのサンフランシスコで、父とともに飲茶店を営んでいた岩本さんは、アメリカで流行しはじめていたクラフトビールの魅力に取り憑かれる。しかし日本では造れないので、サンフランシスコでブルワリーを立ち上げた。

その当時、岩本さんが国税庁にビール製造の問い合わせをしたところ、「日本に小規模醸造所は不要である」と回答されたと言う。「おかしいでしょ?」と笑って振り返る岩本さん。

その日本特有のビール規制をアメリカの雑誌『TIME』が取り上げた。岩本伸久さんの名は、「日本では禁止されているのでサンフランシスコでビール造りをしている日本人」として知られるようになる。ホームブルーが盛んだったアメリカでは、2,000キロリットル以下のビール醸造は禁止されているという日本の法律がずいぶん奇妙に見えたことだろう。

90年代の日本は、規制緩和が急がれた時期でもあった。その規制緩和の目玉になったのが地ビール解禁だった。1994年のことだ。

サンクトガーレンの会社名は、スイスにあるサンクト・ガーレン修道院から。中世、世界で初めてビール醸造を開始した修道院として知られ、世界遺産に登録されている。“元祖地ビール”としては “地”感のないネーミングである。本拠地は神奈川県厚木市で、最寄り駅は小田急線の本厚木。その理由も「たまたま見つけた土地が厚木でした。たしかに地元を意識してビール造りをすることはなかったですね」と岩本さんは話す。