東京駅に「11~13番線」が存在しないワケ。不思議な欠番の背景に「ぎくしゃくとした関係」が?
東京駅の11~13番線がない理由は、1967年以降の東海道新幹線のホーム増設によるものである。
元々存在した11番線は機回し線であり、新幹線ホーム増設の必要から番号が変更されて13番線が欠番となった。
在来線のホームを新幹線用に置き換える際、数字の調整が行われ、11~13番線が消失した。
お盆や夏休みに利用した人も多いであろう「東京駅」。その際に、11~13番線がないことを不思議に思った人もいるのではないだろうか。実はこれには、東京駅発展の歴史が関係している。
「All About」鉄道ガイドの野田隆が解説する。
(今回の質問)
東京駅にはなぜ11~13番線がないんですか?
(回答)
東北新幹線のホームを増設するなど、駅の発展にあたり、消えてしまった。
東京駅は、1964年の東海道新幹線開業までは、1番線から15番線まで欠番なしに並んでいた。そしてそれぞれ、
1・2番線=中央線
3番線=京浜東北線北行き
4番線=山手線内回り
5番線=山手線外回り
6番線=京浜東北線南行き
7番線~15番線=東海道本線および横須賀線
といった形で使用されていた。
このうち、11番線はホームがなく、線路だけ。これは「機回し線」といって、ブルートレインのような機関車けん引列車が到着後に、機関車を連結しなおして進行方向を変えて出発するためのものだった。また、15番線の八重洲側にも線路のみの16番線が通っており、これも「機回し線」であった。
その後、さらに八重洲側に東海道新幹線のホームが新設。ホームの片面だけを使用した17番線、ホームの両面に線路がある18番線&19番線が登場した。
1967年、東海道新幹線増発にともない、片面だけしか線路がなかった17番線ホームの丸の内側に、16番線が追加された。ホームのなかった在来線用(機回し用)の16番線が新幹線用となったのである。当時、機関車けん引列車の数は減っていたので、特に問題にはならなかった。
その後も東海道新幹線の増発はとどまるところを知らず、さらにホームを増設することとなった。といっても、八重洲側はビルなどがあって東に建設することは不可。よって、在来線のホームをつぶして新幹線ホームとすることに決まった。横須賀線は地下に移り、東海道本線もホームでの停車時間の長い長距離列車は減っていたので、ホームを減らしても問題ない状況であった。
これらを踏まえ、在来線に代わり東海道新幹線の14番線&15番線が新設された。ホームが北側で大きくカーブしているのは、将来、東北新幹線が乗り入れてきたときに備えてのことだった。
一方、11番線は機回し線であり、乗車する立場から見ると違和感があった。そこで、機回し線に付番された番号を削除し、既存の12番線を11番線、既存の13番線を12番線と扱うことで違和感を解消した。しかしその結果、逆に13番線が欠番となってしまった。