外出先で大量出血「29歳で子宮頸がんに」後遺症の悩みを力に変えた女性の一筋の光

AI要約

29歳の水田悠子さんが婦人科検診で問題なしとされたものの、再検査でがんが発覚し、大量の出血で緊急入院することになった経緯。

体調不良が続き、陰性の検査結果を受けながらも大出血を経験し、がんの前段階を疑うようになる。

病院でがんが確認され、急遽手術が必要となり、仕事と治療の両立について悩むが、上司や部長の理解とサポートを受ける。

外出先で大量出血「29歳で子宮頸がんに」後遺症の悩みを力に変えた女性の一筋の光

外出中に大量の出血をして、駅ビルのトイレから出られなくなったと話すのは、(株)encyclo代表取締役の水田悠子さんが29歳のときでした。婦人科検診では何も問題なかったものの、病院での再検査によって「見つけにくい」とされるがんが発覚したのです。(全3回中の1回)

■婦人科検診で陰性も「ある朝、大量出血して…」

水田さんは、新卒で(株)ポーラに入社し、念願の商品企画を担当しました。しかし、28歳の終わりころ、胃腸炎で入院したり、不正出血やひんぱんな膀胱炎を起こし、ひと冬に2回もインフルエンザにかかるなど、体調不良が度重なりました。

「自分では深刻にとらえることはなかったのですが、当時つきあっていたパートナーにすすめられて婦人科を受診しました。結果、子宮頸がん検査は陰性でした」

薬の処方を受けても症状が続くため、大学病院でくわしい検査を受けましたが、その数日後、連休の外出中に大出血を起こしました。

「生理の何倍もの量の出血で、駅ビルのトイレから1時間くらい出られませんでした。タクシーにすぐ乗って病院の救急外来を受診し、応急処置を受けました。さすがにこれはおかしいと、連休中にウェブ検索しまくり、子宮頸がんの前段階の前がん状態かな、と自分であたりをつけました」

■自己血貯血や検査をへて手術当日を迎えて

連休明けすぐに病院に向かいました。診察室に入ると、医師から「ひとりで来たのですか?」と問われ、厳しい状況だと察したそうです。

「自分で想像していた前がん状態をとおりこして、すでにがんになっていたんです。それまで、定期的に何度も子宮頸がん検診を受けていましたが、すべて陰性。私の場合は、検査では見つかりにくいタイプのがんでした。検査しても100%がんが判明するわけではないことにすごく驚きました」

想像をこえた事態に、水田さんは予定していた午後からの出社ができなくなり、会社へ電話しました。上司からは「気が動転しているようだし、電車では危ないだろうから、タクシーに乗って帰宅して」と声をかけられたそうです。

「早めの手術が必要だったので、この日に精密検査、この日に入院、と、医師とはどんどん具体的な話が進むのですが、まったく頭がついていかなくて…」

翌日、当時の部長と直接話をしました。

「社内には、がんの治療と仕事を両立している人もいるけれど、あまりにショックが大きく急なので、自分は治療に専念したい、と伝えました。部長は『必ずあなたの帰りを待っているから、今後、どうしたらいいか教えて』と励ましてくれました」