“アフター更年期”に注意。エストロゲンは、悪玉コレステロールの産生を抑えたり、骨を丈夫にしたり。失われることで影響が

AI要約

更年期は女性ホルモンの減少によりさまざまな不調が表れる状態であり、原因が分からず悩む人も多い。

自律神経を整える生活習慣が更年期特有の症状を和らげるポイントであり、ホルモン補充療法も選択肢として存在する。

更年期後の“アフター更年期”には体質の変化があり、生活習慣に注意して健康を守る必要がある。

“アフター更年期”に注意。エストロゲンは、悪玉コレステロールの産生を抑えたり、骨を丈夫にしたり。失われることで影響が

女性ホルモンの減少により、さまざまな不調が表れる更年期。しかし、はじめは原因がわからず悩む人が多いようです。どんな症状があるのか、またその上手な乗り切り方を教えます(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/岩田正恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)

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◆自律神経を整える生活習慣がポイント

更年期特有の症状を和らげるセルフケアのポイントは、自律神経を整える生活習慣です。

「1日3回の栄養バランスがとれた食事や、筋肉を増やし骨を強くするための運動を心がけ、早寝早起きを習慣にしましょう。症状の程度は個人差が大きいのですが、生活に支障が出るほど重い場合は、更年期“障害”として治療の対象となります。減少する女性ホルモンを補う『ホルモン補充療法』で症状を軽くすることも可能です」(天野先生。 以下同)

更年期の症状は2~3年でおさまることが多いといいますが、人によっては長引くことも。

◆“アフター更年期”による体質の変化も

「更年期が終わりに近づき、エストロゲンの分泌がほとんどなくなると、症状も軽減。ある日突然、霧が晴れたように不調がなくなります」

つらい不調がなくなるのはうれしいことですが、それ以降の“アフター更年期”は、エストロゲンの恩恵がなくなることで体質が大きく変わる時期。

「エストロゲンには、悪玉コレステロールの産生を抑制して血管の柔軟性を保ったり、骨を丈夫にしたりする作用があるのですが、更年期後はその働きが失われるため、動脈硬化や高血圧、骨粗しょう症のリスクが高まります。いっそう生活習慣に注意して生涯の健康を守りましょう」

次回からは、更年期症状を和らげるコツについて詳しく紹介します。